こんにちは、Black Rockです。
今回は、高専での単位取得の仕組みを解説します。
- 単位とは何?
- 単位のしくみをざっくりと知りたい
- どの科目を取ればよいのかわからない
- 留年しないか心配
- 卒業できるか心配
このような悩みをもつ方の参考になれば幸いです。
僕も高専生の低学年の時に単位の仕組みが把握できておらず、進級できるか心配になったことがあります。
今回は、僕の高専時代の経験をもとに解説しますが、単位の制度には高専によって少し差があったりするので、この記事がすべて正しいということは保証できません。記事の中でも、「ここは高専によって異なるよ」という注意書きをしていますので、その項目については自分で調べるようにしてください。ただ、単位の大まかな仕組みとしてはほとんどの高専で同じ構造を取っていると思いますので、全体像だけ知りたいという方は、気軽に読んでいただいて結構です。
この記事では、単位取得の仕組みを理解するために、初めに単位とは何かについて説明した後、単位の大まかな仕組みを図を用いて説明します。それから単位について詳しく説明します。
最後に進級・卒業できるか心配な方のために、進級要件や卒業要件について解説します。
単位とは
単位とは、高校や大学、高専などで、進級・卒業の資格を認定するために用いられる学課履修計算の基準のことです。
従って、高専の授業の勉強をサボると、進級・卒業ができなくなる可能性があります。
それぞれの科目によって取得できる単位数が異なり、これは一般に学習時間により決定されます。つまり、勉強に時間がかかる科目は単位数が多く、逆にあまり勉強しなくてもテストで点が取れてしまうような科目は得られる単位数が少ないといった感じです。
単位のしくみ・構造
高専での単位の構造は基本的には上の図に示したようになっています。
まず、単位というのは授業科目単位と外部単位に分けることができます。
授業科目単位には一般科目単位と専門科目単位があり、そこから更に「必修単位」「選択必修単位」「必履修単位」「それ以外」というように分けられます。
太字で示した用語がどのようなものなのかわからない人も多いと思いますので、次の章でそれぞれの用語について解説します。
単位の種類
この章では8種類の単位を紹介し、それぞれの単位がどのようなものなのかについて説明します。
前章で説明した通り、単位には次の8種類があります。
- 授業科目単位
- 外部単位
- 一般科目単位
- 専門科目単位
- 必修単位
- 選択必修単位
- 必履修単位
- それ以外
下でそれぞれの単位について解説します。
授業科目単位
まず、授業科目単位とは、授業を受けることで取得することができる単位のことです。
これは知っている人がほとんどだと思いますが、授業を受けて、テストや課題などで一定以上の成績を残すことで単位を取得することができます。成績の評価方法は科目ごとに異なりますが、基本的にはその科目で指定された方法で計算して満点の60%の成績が取れれば単位が出ます。
授業科目単位には、一般科目単位と専門科目単位があります。
一般科目単位
一般科目単位は、国語・数学・理科・社会・英語などといった教養科目の授業を受けることで得られる単位です。
低学年は、一般科目が多く、専門科目が少ないという傾向があります。5年生になると一般科目の授業は殆どありません。
専門科目単位
専門科目単位は一般科目と対になる単位で、自分の所属している学科の専門分野の授業を受けることで得られる単位です。
例えば、電気系の学科に所属しているならば、電気回路や電磁気、半導体などの授業がこれにあてはまります。
学年が上がるにつれて、一般科目が少なくなり、専門科目の授業が増えていきます。
受けている授業が、一般科目なのか専門科目なのかについては、それぞれの学校のシラバスを見ればわかります。シラバスは基本的にインターネット上に公開されています。高専のホームページを確認していただくか、「〇〇高専 シラバス」などで検索すると出てくると思います。
必修単位
必修単位とは、文字通り「必ず修めなければならない単位」のことです。
仮にこの単位を取得していなければ、卒業ができません。また、進級要件によっては進級できずに留年する場合もあります。
仮に必修単位を落としたと場合は、別の年に再度その単位を取らなければなりません。なので、必修単位は確実に取れるように勉強しなければなりません。
選択必修単位
選択必修の科目は、似た系統の科目でいくつかの区分に分類分けされており、その区分の中で一定以上の単位数を取得しなければなりません。一定以上の単位数が取れなければ、卒業できません。つまり自分で取りたい科目を選べる必修単位ということです。
自分の通っていた学科を例に挙げると、選択必修科目は「選択必修1~6」の6つの区分に分けられており、選択必修1の区分には「交流回路」「回路理論」「電子回路A」「電子回路B」「電気計測」の5科目(計10単位)があり、その中から6単位以上(つまり3科目以上)を取得しなければならないと定められていました。
選択科目の区分や必要な単位数についてはそれぞれの学校で規定があり、インターネット上にも公開されています。シラバスに載っている場合もありますし、インターネット検索で「〇〇高専 選択必修」あるいは「〇〇高専 単位」などで検索すれば出てくると思います。
必履修単位
必履修単位とは、必ず履修しなければならない単位のことです。履修すれば良いので、成績が60パーセント未満で単位を落としたとしても、履修という条件はクリアできます。なので必履修単位を落としたとしても再度その科目を取る必要はありません。ですが、授業を一定回数以上欠席して成績評価が「N(未履修)」になった場合はもう一度履修しなければなりません。
それ以外
授業科目単位には、「必修単位」「選択必修単位」「必履修単位」の3つどれにもあてはまらない単位があります。
では、このような単位はとらなくても良いのかという話になりますが、そうではありません。
後ほど解説しますが、卒業要件の1つに「取得した単位数の合計値のボーダー」があります。つまり、5年生が終わるまでに、ある一定値以上の単位数を取得しなければ卒業できないというのが定められています。「必修単位」「選択必修単位」「必履修単位」が問題なく取得できていたとしても、この単位数のボーダーを越さない場合があります。というかこの場合が多いです。
従って「それ以外」の単位も取らなくて良いわけではないのです。
外部単位
一方、外部単位とは授業を受けること以外で取得することができる単位です。
例えば、検定やインターンなどがこれに当てはまります。
外部単位にも一般科目と専門科目単位があります。授業科目単位とは違い、必修・選択必修・必履修などの分類分けはありません。
専門の分野の検定やインターンなどは専門科目の外部単位、
数学検定やTOEICなどの一般教養の分野のものは一般科目の外部単位として認められます。
外部単位については学校側が修得単位として認定してくれるものとそうでないものがあります。これは高専によって異なるので、事前に調べてから資格や検定などを受けるようにしましょう。
僕の高専では「学生便覧」に代表的な外部単位が記載されていました。教務係などに確認してみるのも良いでしょう。
外部単位のために、学校が認めてくれない検定を受けても、時間とコストの無駄になってしまうのでくれぐれも注意してください。
進級要件
留年が怖い
この章では「留年が怖い」という方のために、進級するための要件について解説します。
進級できるかできないかを判断する基準として、進級要件というものが定められています。
この進級要件は、学校・学科・学年によって異なります。
進級要件の具体的な内容としては、取得単位数のボーダーや、特定の科目が取れているかどうかなどがあります。特定の科目というのは、基本的には必修科目です。
自分の学校の進級要件が知りたいという方は、「〇〇高専 進級要件」などで検索すれば出てくると思います。
卒業要件
卒業できるか心配
この章では「卒業できるか心配」という方のために、卒業要件について説明します。
卒業できるかできないかの判定をするための基準として、卒業要件が定められています。
進級要件と同じように、卒業要件は学校・学科・学年によって異なります。
卒業要件の内容については、基本的に次の3つがあり、全ての条件を満たしている必要があります。
- 取得単位数の合計値
- 必修科目を全て取得しているか
- 選択必修科目の基準を満たしているか
1.取得単位数の合計については、基本的に次の3つの基準があり、全ての条件を満たしていなければ卒業はできません。
-
- 授業科目単位と外部単位を合わせた全ての取得単位数の合計値
- 一般科目の取得単位数の合計値
- 専門科目の取得単位数の合計値
例えば、僕の通っていた高専では、「一般科目75単位以上・専門科目82単位以上・累計167単位以上」と定められていました。
2.必修科目を全て取得していること、3.選択必修科目の全ての区分で一定以上の単位数を取得していることも確認しなければなりません。
これらすべてを満たしてようやく卒業することができるのです。
自分の高専の卒業要件を知りたい方は、「〇〇高専 卒業要件」で調べてみましょう。
まとめ
今回は高専での単位取得の仕組みを解説しました。
単位とは、高校や大学、高専などで、進級・卒業の資格を認定するために用いられる学課履修計算の基準のことです。
単位のしくみは下の図のとおりです。↓
単位には次の8種類があります。
- 授業科目単位
- 外部単位
- 一般科目単位
- 専門科目単位
- 必修単位
- 選択必修単位
- 必履修単位
- それ以外
単位は大きく授業科目単位と外部単位の2つに分けられます。
授業科目単位には、
- 一般科目単位
- 専門科目単位
- 必修単位
- 選択必修単位
- 必履修単位
- それ以外
の分類分けがあります。
外部単位は、検定やインターなどで取得することができます。
今回は以上です。これを機に是非、自分の所属している高専の単位について詳しく調べてみましょう!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。