高専に入学するメリット・デメリット【高専卒業生が解説】

高専

こんにちは。Black Rockです。

今回は高専に入学するメリット・デメリットについて解説します。

この記事はこんな方におすすめです。

 

  • 高専に興味がある
  • 子どもを高専に入学させようか迷っている
  • 高専のメリット・デメリットを知りたい
  • 実際に高専に通った人の話を聞きたい
  • 高校に入るか高専に入るか迷っている

この記事を読んでいただくことで、読者の方の悩みの解決につながれば幸いです。

 

この記事の筆者です。僕は、豊田高専電気電子システム工学科の卒業生です。卒業後は大阪大学工学部へ編入学しました。この記事は、僕の経験に基づいて解説しています。

 

 

↓目次です。記事を読む前に目を通していただけると内容をつかみやすくなります。

 

メリット

まずは高専のメリットから紹介します。メリットは以下の9個です。

  1. 就職に強い
  2. 進学に強い
  3. ものづくり(工業)の知識を早い段階から学ぶことができる
  4. 学生寮がある
  5. 学費が安い
  6. 校則などのゆるさ
  7. 準学士が取得できる
  8. 仲の良い友人ができる
  9. 長期休暇が長い

以上の9個について以下で解説していきます。

就職に強い-高専の就職率ほぼ100%

これは非常に有名な話ですが、高専の就職率はほぼ100%です。この就職率100%は何を意味するかというと、就職を希望した人が実際に就職する割合を意味します。高専の卒業生全員が全員就職するというわけではありません。後ほど解説する大学編入という選択肢もあります。

就職先も比較的良いところに入れます。大卒の人が入るようなところに入社する人もいます。もちろん高卒よりも給料はいいです。ただし、大卒よりかは給料が落ちるところが多いです。(ベンチャー企業など一部例外はあり)

高校から大学へ行くのはかなり労力がかかります。中学3年の時点で高専への入学を成功させて、そのまま高専卒業後に就職してしまえば、大学受験という非常に労力がかかるイベントを回避することができます。

ただし、先程も述べた通り大卒よりも低い給料になる場合が多いです。大学まで行きたいと考えている方は、次に述べる「進学に強い」の項目をご覧ください。

進学に強い-進学率ほぼ100%

高専といえば就職というイメージが強いですが、実は進学にも強いです。就職率と同様に進学率もほぼ100%です。なお進学率というのは、進学を希望した人が実際に進学をする割合を意味します。

高専では僕の経験上だいたい60%くらいの人が就職するというイメージがあります。そして残りの40%の人は大学編入をします。

大学編入とは何かというと、高専卒業後に大学の3年次へ入学できるという制度です。高専生が進学をする場合、基本的にこの大学編入という制度を利用します。

進学に強いと言えるもう一つの要素として、進学する人のほとんどが国公立大学の理系に進学します。

高校のように早いうちから受験勉強をさせられるわけではないのに、なぜ進学に強いのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか。これは、大学編入の難易度自体が普通の大学受験より低いからです。

難易度が低いと言える理由は3つあります。

1つ目は、基本的に理系科目だけできれば良いという点です。編入試験には普通の大学入試で言う共通テスト(旧センター試験)にあたるようなテストがありません。編入試験はそれぞれの大学が出題する試験のみです。多くの大学が理系科目のみの出題です。中には英語が出題される大学や、TOEIC(英語の資格試験)のスコア提出が必要な大学もあります。とはいっても英語の配点は理系科目に比べて小さい傾向にあります。また、出題科目が少なかったり、書類だけで選考する大学もあります。難易度が低いとはいえど、旧帝大のようなレベルの大学は試験の難易度が上がり出題科目も多く、合格できるのはクラスで数人程度です。

2つ目は、受験できる大学の数に制限がないという点です。高校から国公立大学の入試を受ける場合は、前期・中期・後期それぞれで1校ずつで最大3校までとなります。一方、高専からの大学編入の場合はそのような制限はなく、時間・お金・体力が許す範囲内で、いくらでも受験できる。たくさん受ければ、そのぶん合格しやすくなります。

3つ目は、技科大と専攻科の存在です。技科大というのは技術科学大学の略であり、国立大学です。日本には豊橋技科大と長岡技科大の2つの大学があります。技科大は、高専の卒業生を定員の過半数として受け入れることを目的としています。従って、編入試験の定員が多いので入りやすいのです。

また、専攻科は高専の本科を卒業後に入学することができる課程であり、2年間の専攻科の課程を修了すれば大卒と同じ学位(学士)を取得することができます。要は、大学の3年4年にあたるのが専攻科です。専攻科も試験がゆるいので入りやすいです。

モノづくり(工業)の知識を早い段階から学ぶことができる

高専では、早い段階からモノづくりについて学ぶことができます。モノづくりというのは工学と呼ばれる分野のことです。実践的に何かものを作るというよりかは、座学が多く理論を重視しています。これは高専が大学と同じ高等教育機関であるためです。

実践的なモノづくりを学ぶという場面は少なく、専門実験くらいです。実践的なモノづくりを学びたい場合は、専門学校に行ったほうが良いかもしれません。専門学校ではより実務に近い教育がなされているそうです。

従って、高専の授業で学んでいるだけでは「高専を卒業することには立派にモノづくりができるようになっているのかなー?」という期待は実現しません。実践的なモノづくりの技術を身に付けたければ、ロボコンやロボカップなど、実際にモノを設計・開発するような活動をしている場所に参加する必要があります。

学生寮がある

高専には基本的に学生寮が存在します。授業のある期間(春休み・夏休み・正月休み以外)はこの学生寮で暮らすことができます。

学生寮では、食事居住空間が提供されます。食事は基本的に毎食提供されます。居住空間は共用のものが多いですが、特に不自由はありません。集団での生活を学ぶことができるのも良い点です。寮での生活を通して、友達をたくさん作ることもできます

 

田舎出身の方には、近くに自分のレベルに合った高校がなくて困っている方もいると思います。普通の高校には寮などはなく、実家から離れた高校に行くとなれば、下宿をしたり親戚を頼ったりすることになるのではないでしょうか?高専であれば学生寮に暮らすことができるのでそういった心配もいりません

学費が安い

続いて学費について解説します。ここでは2つのパターンについて比較してみようと思います。

「高校→短大・専門学校に進学するルート」 vs 「高専に進学するルート」

まずは、「高校(3年間)→短大・専門学校(2年間)に進学するルート」と「高専に進学するルート(5年間)」の比較です。どちらのルートも5年間の教育で、そのまま就職した際の給料はほとんど同じ扱いになります。

短大・専門学校のほとんどは私立で学費はそれぞれの学校で異なるため、学費の相場を下に示します。高校の学費は、公立高校のものを参照しています。公立高校の学費は一律です。高専も国立なので学費は一律です。

高校→短大の学費(相場):
362050円(高校)+200万(短大)=236万円程度

高校→専門学校の学費(相場):
362050円(高校)+220万円(専門)=256万円程度
※専門学校の学費は分野によって異なります。ここでは、工業系の専門学校の大まかな平均値を用いています。

高専の学費:1,257,600円

専門学校・短大の学費は相場なので多少の上下はありますが、それを考慮に入れても明らかに高専のほうが安く半分程度の学費に抑えることができます

 

「高校→大学に進学するルート」 vs 「高専→大学編入するルート」

続いて、「高校(3年間)→大学(4年間)に進学するルート」と「高専(5年間)→大学編入(2年間)するルート」の比較です。

どちらも7年間の教育であり、どちらのルートでも大卒の肩書、すなわち「学士」と呼ばれる学位を取得することができ、就職した場合の給料も同じ扱いになります。大学の学費は国公立大学のものを参照しています。

高校→大学の学費:
362050円(高校)+282000円(大学入学金)+538734円*4(授業料)=2798986円

高専→大学編入の学費
1257600円(高専)+282000円(大学入学金)+538734*2(授業料)=2617068円

多少の差ですが、こちらも高専→大学編入のルートが安くなります

校則などのゆるさ

高専の校則は高校に比べてゆるく、大学と同じような感じです。髪を染めたり、メイクをしたり、ファッションも自由です。また、高専と同じレベルの進学校ではバイトが禁止されている学校が多いすが、高専は3年生からバイトが可能です。

準学士が取得できる

中学から高専に入って順調に高専を卒業できれば、「準学士」と呼ばれる学位が取得できます。

準学士というのは、高専の卒業者に与えられる学位のことです。平成17年以前は短期大学の卒業者にも準学士の学位が与えられていましたが、今では短期大学士という学位があたえられるようになりましたが。準学士と短期大学士はだいたい同じような価値を持つと考えてよいでしょう。短期大学を卒業して学位を取得するには、高校受験と大学受験の2つを乗り越えなければいけません高専であれば、高専入試1つだけで済みます。学費も安いですし、高専というのはコスパが良いです。

準学士を持っていることで一定の教養が見込まれるので、就職など社会的な場面で有利に働くことも多いです。

仲の良い友人ができる

高専では仲の良い友人ができます。これは単純に一緒に過ごす時間が長いからです。

高専はそもそも5年間あり、クラス替えもないので、5年間一緒に過ごすことになります。5年間も一緒に過ごしていると、本当に仲の良い友人ができますし、良好な人間関係は人生において非常に有益です。

人間関係に自信がない人でも大丈夫です。高専には人間関係に自信がある人ばかりではなく、内向的な人も多く入学するからです。

根暗な人でも友達はできます。いわゆるオタクと呼ばれるような人たちも結構います。アニメやゲーム・アイドルなどが熱狂的に好きな人などは高専であれば、居場所があると思います

もちろん、明るい性格の人も多くいます。いわゆる陽キャと呼ばれるような性格の人たちもいますが、オタクをいじるような文化は高専には少ないと思います。高専にはオタクが多いので、わりと理解のある人が多いです。

長期休暇が長い

高専は長期休暇が高校と比べて長いです

高専の長期休暇は国公立大学とほとんど同じです。すなわち8月の上旬から9月末までが長期休暇の期間となります。

高専では、3年生の長期休暇に自動車の免許を合宿で取りに行く人が多いです。

デメリット

続いて、高専のデメリットについて解説します。

デメリットは以下の5点です。

  • 学業が大変
  • 進路変更が難しい
  • 学校の授業だけでモノづくりができるようになるわけではない
  • 女子が少ない
  • 普通の高校とは違う

下でそれぞれについて解説します。

学業が大変

高専の授業は大学と同様で、単位制です。単位制では、各科目に一定数の単位が割り振られており、各科目のテストや課題で一定以上の成績を残すことで、単位を取得することができます。この単位によって、進級・卒業できるかが決まります。

高専の単位について詳しく知りたい方はこちらから→高専での単位取得の仕組み

成績の付け方はそれぞれの科目によって異なりますが、基本的には最終的な点数が60%を切ると赤点となり、落単(単位を落とすこと)になります。単位を一定以上落としたり、特定の単位を落としたりすると留年します。すなわち、勉強をサボると進級できないのです。

従って高専には、毎年留年する人が一定数います。高専の留年率は高校の10倍近いと言われたりします。平成27年の文部科学省の調査結果によれば、留年者は全学生の3.7%を占めます。留年者のうちの約8割が単位不足による留年です。

↓以下引用です。

留年は,全高専合計で2,079名(全学生の3.7%)。理由としては,単位不足(1,660名),病気療養等(168名)・留学(100名)のための休学など。

参考文献→文部科学省.”資料3_高等専門学校における教育改善状況等に関する調査結果について

 

学業が厳しいとはいえど、そんなにビビることはありません。単位不足で留年する人たちは基本的に勉強をサボった人たちです。過信せずに勉強すれば、普通に単位は取れますし、進級もできます。優秀な人の中には高専5年間でオールA(すべての科目で最高成績をとること)を達成する人もいます。

進路変更が難しい

高専に進学すると、その後の進路変更が難しいという欠点があります。

高専で学ぶ工学と呼ばれる分野はかなり幅が広く、様々な分野があります。高専で学ぶ中で自分にとってより興味の湧く分野が出てくる場合もあります。あるいは、理系に向いていないと判断して文系の分野を学びたいという意欲が出てくる場合もあります。このように進路を変えようと思った時に、高専に進学すると進路が変えづらくなります。進路を変えられないわけではないのですが、障壁があります

具体的にどのような方法で進路を変更するのか説明します。

  1. 転科する
  2. 高専を3年で中退し、大学に入学する
  3. 大学編入で専門分野を変更する

以下でそれぞれについて解説します。

 

まず、工学の分野の中で学びたい分野を変えたい場合、すなわち高専で教育されている分野の範囲内で専攻を変えたい場合は、転科という手段を使います。転科というのは、所属の学科を変えることです。例えば、機械科から電気科へ所属の学科を変えると言った感じです。

転科をする際の障壁になるのが、転科の試験がある点と、転科後の学年は2年になるという点です。

僕は転科の試験を受験したことがないので、試験の内容については把握しておりませんが、おそらく専門的な内容はほとんど出題されないかと思います。なぜなら高専の1年次では専門的な授業がかなり少ないからです。おそらく、数学や英語などの一般教養科目が出題されるのではないでしょうか。

転科後の学年が2年になるということが何を意味するかというと、1年次よりも上の学年で転科をすると留年するということです。例えば3年次の人が転科をすると2年分留年するということです。なお、転科のタイミングは年中いつでもできるというわけではなく、学年が変わるタイミングのみです。

 

専攻を変える2つ目の手段としては、高専3年生を修了したタイミングで大学に入学するという方法です。つまり高校生に混じって大学入試を受けるということです。高専3年生を修了した時点で高卒の資格は得られるので、事実上は可能です。ただ、これはかなり難易度が高いです。なぜならば、大学入試は高校の教育の範囲で出題されるものであり、高専の教育内容とは異なるためです。また、高校生は早い段階から受験勉強を始めますから、そういった人たちと同じ土俵で肩を並べて戦うのはどう考えても不利です。

 

3つ目の手段としては、大学編入で専攻を変えるという方法です。大学編入では高専とは異なる専門分野の受験が可能です。例えば高専では電気科に所属していた学生が、大学の情報系の学科へ編入すると言った感じです。実際にこの記事の筆者である僕はこの手段を使いました。この手段を使う際の障壁は、出身学科の制限と、編入試験で高専で学んでこなかった分野の問題が出題される点、編入後の単位変換です。

出身学科の制限のある大学では、高専で同じような分野を学んできた人のみを受け入れます。例えば、高専で機械工学を学んできた人は、出身学科に制限のある大学を受ける場合は、機械系の学科しか受験できません。編入試験の試験科目が少ない大学では出身学科に制限を設けているところが多い印象です。とはいっても、全体で見ればそのような大学は多くありません。

また、編入試験では専門科目が出題される大学が多いので、自分の専攻と異なる分野を勉強しなければなりません。高専で約5年間その分野を勉強してきた人を相手にして戦うわけなので、当然不利になります。ただ、編入試験で専門科目を出さない大学もあり、そういった大学の編入試験では専門科目の代わりに物理や化学が出題されたりします。専門を変えたい場合はこういった大学を選ぶと楽かもしれません。

それから、高専からの大学編入で専攻を変える場合は、大学編入後の単位変換が厳しくなりがちです。単位変換とは、高専で取得した単位をその大学で開講されている単位に変換できるというものです。すなわち、高専で単位取得した授業の内容に似ている授業が編入先の学科に存在している場合、編入先の大学のその授業を修得したものとみなす、これが単位変換です。専門を変えると、高専で学んだ内容と異なる分野の授業ばかりですから、単位変換は厳しくなり、手持ちの単位数が少なくなり、場合によっては単位不足で留年したりします。

高専から進路変更しようとするとこれらの障壁があります。また、就職する場合も高専生の多くは工業系のメーカーに就職することになります。金融や教育、スポーツ、デザインなどの他の分野で就職する人はほぼいません。エンジニア職であれば、ある程度専門知識も必要になるので、高専で学んだ分野に近い仕事をすることになると思います。エンジニア職だけでなく、メーカーにも営業の仕事はあるので、営業などのいわゆる文系職にも就くことは可能です。

これらを考慮すると、高専に入った時点で所属している学科の専門分野の仕事に就く可能性が非常に高く、進路を変えるのが難しいということが言えます。すなわち高専に入った時点で大まかな進路(編入する場合は大学の学科、就職する場合は業種)はほとんど決まってしまうということです。高専に入ってから、自分の進路を変えるためには、ある程度の努力が必要です。

中学3年生の時点で、将来就きたい職業まで決めるのは難しいことです。高校に進学すれば、高専に進学する場合よりも3年遅いタイミングで、自分の専門分野を決定することができます。ただし高校の文系理系の選択は1年生の後半に行われ、2年から文系理系に分かれるので、高校の場合はこの時点でかなり大まかなな方向性は決まるわけです。

学校の授業だけでモノづくりができるようになるわけではない

これは前章で軽く述べましたが、「高専を卒業することには立派にモノづくりができるようになっているのではないか」という期待を持たれがちですが、実際には学校の授業だけでは立派にモノづくりができるようにはなりません。

高専で立派にモノづくりができるようになるのは、ロボコンやロボカップその他コンテストなどのモノづくりに関する活動に積極的に参加した人だけです。

学校の授業は、座学が中心で理論を重視しています。実践的なものづくりをする授業は少ないです。実践的なものづくりを通して技術を身に付けたい方は専門学校がオススメです。専門学校では実務に近いことを教えてくれます。ただ、理論が少ないので両方とも学びたいという方は、高専に入って積極的にモノづくりの活動に参加すると良いです。

女子が少ない

国立専門学校機構のデータによれば、令和3年時点での高専の女子の割合は約22%です。

1クラス40~50名程度なので、だいたい1クラスあたり10人程度女子がいるという計算になります。男子側から見れば女子が少ないので、女性経験が少なくなりやすいです。高校では、男女の比率はほとんど同じですから、世間の高校生よりもいわゆる青春が少なくなりがちで、それに対して劣等感を持つ高専生も一定数います

高専にしばらくいると、「高専病」という言葉を聞くかもしれません。高専病というのは、高専の女子が少なすぎて、外で見る普通の女子がめちゃくちゃ可愛く見えてしまうという現象です。病気でもなんでもなく、別に精神が異常になったとかでもなく、ネタで言って楽しんでいるあるいは自虐しているといった感じです。高専病という言葉が使われるくらい、高専は女性経験が少なくなりがちということです。

女性経験が少なくなるという問題点に関しては、積極的に課外活動に参加したり、バイトをしたりすることで解消できます。積極性がないと女性経験を積めない、これが高専です

逆に女性から見れば男性が多いので、男性経験には困らないと思います。

普通の高校とは違う

中学から高専へ行く人は全体で見ればごくわずかで、ほとんどの人は高校へ進学しますよね。

教育や文化など、普通の高校とは異なるので、感覚や認識が一般とはズレる場合もあります。普通とは違うことを悲観的に捉えてしまう場合もあるかもしれません。ただ、このズレは一長一短で、良いと捉えるか悪いと捉えるかは人それぞれです。良く捉えれば長所にもなりうる点です。

ところで、一般的な教育とズレるという点で、不便な点が一つあり、アルバイトで塾講師や家庭教師をやるときに高校の範囲が教えづらいという点です。高専は理系科目には強いですが、文系科目には弱いです。当然ながら塾講師で文系科目を教えるのは難しいです。理系科目で見ても、高校の教育方法とは異なるので、高専で教えていない分野も高校にはあります。例えば、高校で教えられている整数論などは高専では教えられないことが多いです。従って、塾講師や家庭教師のバイトをするときは、高校生を担当するのが難しく、基本的には小中学生を教えることになります。

また、高専の知名度は最近上がったように感じますが、まだ知らない人も多くいます。外部で学校の話になった時、説明に苦労することもあると思います

 

高専に5年間通った感想

個人的な感想になりますが、全体的に見れば高専に行ってよかったなと思っています

高専というのはコスパが良いです。僕は大学編入をしましたが、普通の大学入試を受けるよりも多分楽ですし、学費も割安です。

それから寮生活も楽しいことが多かったです。寮で仲良くなった人と、一緒に御飯を作ったり、休日にいろんなところに遊びにいったりなど、いい思い出が多いです。

5年間一緒にいるクラスのメンバーですから、仲の良い友人もできます。

 

一方で、学業が大変であったり女子が少ないといった難点もあります。

なので、高専行ったほうが良いのかどうか迷う方も多いと思います。

このような方に向けての助言になりますが、本人がモノづくりに興味を持っているのであれば、高専はオススメです。

モノづくりの経験がなくても興味さえあればOKです。高専にはモノづくりが本当に好きで来ている人も一定数います。そういった人たちは積極的にモノづくりの活動をしており、周りにこういった人たちがいることで、「自分もやってみよう」というモチベーションに繋がるはずです。授業でもモノづくりの理論となる工学の分野を学ぶことができます。従って、経験はなくてもモノづくりをしてみたいという意志さえあれば、高専には向いています

あるいは理系科目が好きな人も向いていると思います。高専で学ぶ専門分野は理系科目なので。

逆にモノづくりや理系科目に興味がない場合は、あまりオススメしません。高専にはモノづくりを学べるということ以外もメリットがあるとは言え、やはり学生生活の中心となるのは学業です。高専で学ぶ内容に興味がわかないのであれば、学業が苦痛になります本業を頑張るからこそプライベートが充実するものだと思っています。従って、高専で学ぶモノづくりや理系科目に興味が湧かないのであれば、高校へ行くのが無難だと思います。

高専で何が学べるかは学校によって異なるので、候補となる高専のホームページを確認してみましょう。

 

ここからは親御さん向けの内容です。最終的な進路は本人が決めるということが超重要です。自分自身の意思で決めたのであれば、最終的にはその選択で良かったと思えるはずです。他人の決めた人生を歩んでも、幸福も成功も掴めません。失敗を経験するたび、進路を押し付けてきた親のせいにできてしまうからです。「こんなに苦労しているのは、進路を押し付けてきた親のせいだ」と考えることができてしまうからです。この考えが、成長を遠ざけ幸福も成功も遠ざけてしまいます。

この記事を読んでいる親御さんは、ぜひとも最終的な決定は本人にさせるようにしていただきたい、という筆者からの願いです。上で述べた通り進路の押しつけは呪いのようなものです。お子さんの成功を願うのであれば、本人の人生を本人の意思で決定させることが欠かせないのです。本人の視野では気づかない部分を気づかせ、考える機会を与え、最終的な決定は本人にさせる、これが子供を成功へと導く親の役割だと僕は考えています。

まとめ

今回は高専のメリット・デメリットについて解説しました。

メリットは以下の9点。

  • 就職に強い
  • 進学に強い
  • ものづくり(工業)の知識を早い段階から学ぶことができる
  • 学生寮がある
  • 学費が安い
  • 校則などのゆるさ
  • 準学士が取得できる
  • 仲の良い友人ができる
  • 長期休暇が長い

 

デメリットは以下の5点

  • 学業が大変
  • 進路変更が難しい
  • 学校の授業だけでモノづくりができるようになるわけではない
  • 女子が少ない
  • 普通の高校とは違う

 

最後に高専に5年間通った個人的な感想を紹介しました。モノづくりに興味がある方は高専オススメです。

自分の人生を自分で決定しているという感覚、すなわち自己決定感は大きくその人の幸福度に大きく影響します。
本人の意志を尊重し、最終的な決定は本人が行うべきです。たとえ、その選択が本人にとってベストな選択でなかったとしても、自分で決めた選択には良い意味を与えることができるでしょう。そして前向きに更に成長できるはずです。

 

今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

このブログでは、高専に関する情報を他にも発信しています。他の高専に関する記事はこちらのリンクからご覧いただけます。→高専に関する記事の一覧

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