高専とは【元高専生がわかりやすく解説】

高専

こんにちは。Black Rockです。

今回は、高専について解説します。

 

この記事はこんな方におすすめです。

 

  • 高専についてサクッと知りたい
  • 高専について少し詳しく知りたい
  • 高専と他の学校との違いを知りたい
  • YouTuberの「かっつー」が言っていることは本当なのか知りたい

 

 

この記事では、高専についてサクッと知りたい方向けに、まずはざっくりとした高専の概要について解説します。

その後、高専について少し詳しく知りたい方向けに、もう少し深掘りして解説します。

 

 

この記事の筆者からの自己紹介です。僕は豊田高専の電気電子システム工学科の卒業生です。高専卒業後は大学編入をし、現在大阪大学の情報系学科に所属しています。この記事は僕の経験を踏まえて解説しています。

 

 

 

↓目次です。記事を読む前に目を通していただけると、理解しやすくなります。

 

高専についてサクッと解説

まずは、高専についてサクッと知りたい方向けに高専の大まかなイメージを掴んでいただこうと思います。正確な高専の定義について知りたい方は他の記事を読んで下さい。

ザックリいうと高専は、中学卒業後に入る5年制の工学部みたいな学校です。

高専は全国に合計57校が設置されています。各県にだいたい1校ずつあるイメージです。

高専の教育について

高専は「高等専門学校」の略であり、中学卒業後に入る5年制の学校で、普通の「専門学校」とは異なるものです。高等専門学校は、「高等教育機関」と呼ばれ、これは大学と同じ機関にあたります。専門学校というワードを聞くと、機械をいじるなど技術的なことをやっているようなイメージがありますが、実際には大学と同様、学術的な教育がされており、研究もしています。また、大学と同様の単位制であり、成績が60%未満で落単し、一定以上の単位数を落とすと卒業できません

高専で教育されているのは、主にモノづくりの分野であり、正確には工学と呼ばれる分野です。高専にはいくつかの学科があり、学科によって学ぶ分野が異なります。高専で教育されている専門分野は大まかに以下のとおりです。

  • 機械系・材料系
  • 電気・電子系
  • 情報系
  • 化学・生物系
  • 建設系
  • 建築系
  • 商船系

専門分野は入試の段階で決まり、高専に入ると上記のようなモノづくりの分野を早い段階から学ぶため、高専を卒業する頃にはモノづくりの分野で活躍できるエンジニア(技術者)になることができます。「工学部みたいな学校」というのは、モノづくりを学べる大学と同じ高等教育機関という意味です。

就職や進学について

高専は中学3年生のときに高専入試を受験し、合格することで入れます。高校入試と同じくらいのタイミングです。

高専卒業後は、基本的には就職か進学の2択です。

就職する場合は、短大や専門卒と同じ扱いになります。中学卒業後、高校ではなく高専に入学すれば高卒より多くの給料がもらえるということになります。また、高校や専門学校と比べて就職先も良いところに行けます。高専には優秀な人が多くいるということが見込まれているためか、企業からたくさんの求人が来ます。高専出身者への求人倍率は20~30倍と大卒よりもはるかに高いです。(参考記事

就職したい方は、高専に入ればまず失敗することはありませんし、求人を出しているたくさんの企業の中から自分の好きな企業を選ぶこともできます。ただ、大卒よりも2年間教育を受けている期間が短いことになるので、給料は大卒よりも低い場合が多いです。(一部のベンチャーなどでは大卒と同じ給料を出すところもある)

進学する場合は、大学編入か専攻科へ進学します。5年間というのは高校の3年間+大学の2年間がくっついたようなものです。従って、大学編入では大学の3年次に入学するものが一般的です。編入する人のほとんどは、国公立大学の理系学部へ行っています専攻科は、高専の本科(1~5年生)の続きみたいな感じで、高専に残って更に2年間の教育を受けたり研究をしたりするところです。専攻科を卒業すれば、大卒と同じ資格を得ることができます。

 

 

高専のイメージを作ってもらうためにいろいろ解説しましたが、ざっくりまとめると、

中学卒業後に入るモノづくりを学ぶ5年制の学校で、卒業後は就職か進学をするようなところ

みたいな認識で大丈夫です

より詳しく知りたい人向け

上の章では高専について超ザックリと解説しましたが、ここからはより詳しく高専について知りたい方向けの解説になります。

他の学校との比較

ここでは、普通高校工業高校専門学校それぞれについて、高専との違いを解説します。

普通高校

普通高校と異なる点について、教育の内容卒業のための条件学費の3つについて以下で解説します。

 

まず、教育の期間が異なります。中学卒業後に入るという点は同じですが、ご存知の通り高校は3年間、高専は5年間の教育です。

また教育の内容も異なります。高校は文系理系科目両方勉強しますが、高専は高校よりも文系科目の勉強量が少なく、理系科目を多く勉強します。高校には2年生で理系文系分かれますが、高専には文理選択はなく、5年間ずっと同じクラスで勉強し続けます。

文系科目の勉強に関しては、高専では低学年のうちにほとんどが終わります。また、高専の文系科目には必修科目(必ず取らなければいけない科目)が少ないので、取らなくても良い授業も結構あります。

理系科目に関しては、高校と比較すると意外と異なる部分が多いです。高校でやる理系科目といえば物理・化学・生物で、教育上の方針的に大学入試の難問を解くための教育という立ち位置だと思います。一方高専では、これらの理系科目は教育されていますが、専門科目を学ぶ上での道具という立ち位置です。発展は大学入試のような難問ではなく、専門科目の問題です。あくまでも専門科目を学ぶという目的を達成するための道具として使われます。

また、数学の教育内容も異なります。例えば高校1年生で学習する整数論は、高専では基本的には教育されていません。数学も、専門分野への応用するために勉強しているという側面が強く、その例として、工学の分野における計算でよく用いられる微分方程式は3年生(18の歳)の時に勉強します。微分方程式は通常大学で学ぶ内容であり、このように高専では工学に用いる数学的知識を早いうちから学ぶことができます。

 

また、卒業のための条件も異なります。高校では、①3年間以上在籍すること、②3年間で74単位以上の取得、③3年間で体育祭や生徒会活動などの特別活動への30時間以上の参加、という3つの条件が卒業するために必要です。

一方で高専では、①単位に関する条件、②卒業研究をクリアするという条件が卒業するために必要になります。単位に関しては、単位数と特定の科目が取れているかという点についてあらかじめボーダーが定められています。卒業研究は高専の5年生に行う自分の専門分野に関して行う研究です。大学の4年生で行う卒業研究とだいたい同じようなものです。卒業論文を出さないと卒業できません

 

また、学費も異なります。公立高校と国立高専を比較すると、高専の方が高いです。専門性も高いですし、大学と同じ高等教育機関なので、当然ながら高くなります。ただ、大学よりは安いです。詳しい料金の比較は別記事で解説しています。→詳しくはこちらから

工業高校

続いて、工業高校と高専の比較です。

工業高校はあくまでも高校であるため、3年間の教育であり、教育を受ける期間は高専と比べると2年短くなります。従って、モノづくりについて高専のほうがより専門的でたくさんの知識に身につけられます

また、頭の良さも高専のほうが上です。これはマウントとかではなく、モノづくりに興味があり工業高校への進学を視野に入れている人で、学力がある程度あるという人は高専を目指すと良いというアドバイスになります。工業高校を目指していた人が高専へ入れた場合、ほぼメリットしかないと思います。

また就職したときの給料も異なります。工業高校の卒業生の約60%は就職します。工業高校を目指す方のうち大学へ行く予定がない方は、高専へ行けば大学に進学せずともより高い給料を得ることができます。もちろん工業高校のほうが早く就職できて早いうちから給料を手に入れることができますが、生涯年収で言えば圧倒的に高専卒のほうが高いです。

高校卒業後に就職する人の心理として、一刻も早く学業から開放されたいという思いを持っている方もおられるでしょう。こういった人に考えてもらいたいのは、学業から開放されたら本当に楽になるのか?という点です。学業と社会人生活の大変さを比較し、十分に理解しようとすれば、一概に「学業から開放されて社会人になったら楽になれる」という結論にはならないはずです。

個人的な意見ですが、学生の期間が2年伸びるのは、むしろ利益だと思っています。学生のうちは、親という強力な後ろ盾がいます。生活に必要なお金も出してくれますし、実家にいれば食事や家事などもしてくれるわけです。また、学生のうちはいろんなサービスを安く利用できます。

 

卒業の条件は基本的に上の章で述べた普通高校と同様です。工業高校には高専のように卒業研究はありません。

 

公立の工業高校の学費は公立の普通高校と同じです。従って上の章で述べた通り、高専のほうが学費は高いです。詳しい料金の比較は別記事で解説しています。→詳しくはこちらから

専門学校

つづいて専門学校と高専の比較です。

大まかな部分で言えば、入学のタイミングが専門学校は高校卒業後であるのに対して、高専は中学卒業後という点が異なります。専門学校は2年間の教育で、高専と同じタイミング(20歳の年度)での卒業になります。高専は「高等専門学校」ですが、普通の「専門学校」とは別物です。具体的には学術上の扱いが異なります。専門学校を卒業した者には「専門士」という称号が与えられますが、これは学位ではありません。一方高専を卒業した者には、「準学士」という学位が与えられます。単なる肩書の違いなので、その後の人生で大きな差を生むかは定かではありません。

 

以下では更に掘り下げて、教育・就職・学費・卒業の要件について比較します。

まず教育の内容に関して、専門学校は実務に近い形での教育を提供しますが、高専では理論を重視した教育を提供します。高専は座学が多く、専門学校は実習が多い傾向にあります。高専では実験などの実習科目があるため多少技術は身につきますが、専門学校のように実務に近い技術ではありません。

専門学校では学校によって扱う分野が異なり、全体的に見ると多様性に富んでいます。一方高専は、工学系の学科がほとんどなので、モノづくりの分野に興味がない人には向いていません

また、学力も異なります。高専での教育のレベルは高く、ある程度勉強ができて学力がある人でなければ卒業できません。従って高専入試は難易度が高く、入学後の教育についてこれる人のみを選んでいるともいえます。一方、専門学校の入試は比較的簡単と言われており、そのため入学後の教育も難易度が比較的易しく、高専よりも簡単に卒業できます

 

続いて就職についてです。

高専は専門学校より多様な分野・業種で就職できます。

これは、単純に求人倍率が高専のほうが高いからです。

今回はマイナビという就活サイトを使って、高専卒の求人と専門卒の求人数を調査しました。

2022年9月11日現在、高専卒の求人数は10246件、専門卒の求人数は13768件です。求人数だけで見れば専門卒のほうが多いですが、専門学校の1年あたりの卒業者数のほうが圧倒的に多いので求人倍率で考えてみます。

全国の高専在学生の人数は約6万人であり、5年生の人数は単純計算で1.2万人です。高専では約6割の人が就職、4割の人が進学するので、結局就職活動をするのは7000人程度です。

一方、全国の専門学校在学生の人数は約60万人であり、2年生の人数は単純計算で30万人です。専門学校では、だいたい8割程度の人が就職をするので、結局就職活動をするのは約24万人程度です。

ここでは、マイナビのデータしかないので求人倍率自体に意味ありませんから、求人倍率の比を計算してみます。

専門学校の求人倍率:高専の求人倍率=13768/24万人:10246/7000人≒1:26

従って、高専生の就活生1人あたりの求人数は、専門学校の26倍程度あるということがわかります。この26倍という数値はあくまでもマイナビ上のデータであり、マイナビに求人を出していない企業はたくさんあるので、数値の正確さは全く保証できませんが、明らかに高専のほうが求人倍率が高いということは言えると考えられます。

高専の求人倍率が高くなる理由は2つ考えられます。専門性と期待値です。

高専では、先述の通り実習よりも理論を重視しています。理論というのは様々な分野に応用ができるものです。一方専門学校では、実習に重きを置いていますので、裏を返すと実習でやってこなかった分野に対しては理解が少ないということになるわけです。理論を応用した先に技術があり、理論を重視せず技術を中心に学ぶということは、すなわち専門学校で学ぶ内容は専門性が高すぎるということです。

また、高専ではレベルの高い教育が行われているため優秀な人が多く、企業からの期待値が高いということも求人が多い理由として考えられます。

続いて学費についてですが、専門学校は基本的に私立なので、学費は結構高く、当然ながら高専よりもはるかに高いです。高専の学費は5年間で約126万円、専門学校の学費は2年間で約220万円となっています。→学費の詳細はこちらから

 

卒業の要件についてですが、専門学校も高専と同様で単位の要件があります。ただ、先程も述べた通り、高専のほうが単位を取るのが難しいので卒業の難易度も上がります。また、高専には卒業研究がありますが、専門学校には卒業制作と呼ばれるものがよくあります。研究と制作では趣旨が異なります。研究は社会における問題を解決するための学術的な試みを行い論文を書きます。制作では自分の学んだ専門分野に関する創作活動を行います。

その他特色

高専のその他特色について紹介します。

女子が少ない

まず、高専には女子が少ないです。全国の高専のデータを見ると、女子は全体の22%程度しかいません。1クラス40~50人なので、1クラス10人程度女子がいるという計算になります。

男性側から見れば、女性が少なくて女性経験を積みにくいという点から不利です。積極的に行動する人しか、女性関係は充実しないかもしれません。

逆に女性から見れば、男性がたくさんいるので選び放題みたいなところはあります。実際のところ高専女子は、結構男性経験が豊富だったりします。高専で出会った人と結婚する人もぼちぼち見かけます。

就職も進学も強い

高専は就職のイメージが強いですが、実は進学も強いです。

就職についてですが、「高専の就職希望者の就職率はほぼ100%」というのは有名な話です。これは、高専卒業者を雇いたい企業がたくさんあり、求人倍率がかなり高いためです。→就職に関する詳細についてはこちらから

進学についてですが、就職と同様で、進学希望者の進学率はほぼ100%です。高専から進学する場合は基本的に、大学編入か専攻科へ進学するかの2択になります。

大学編入する人たちの大半は、国公立大学の理系学部へと進学します。専攻科は、高専の延長みたいなところで、高専本科卒業後に更に2年籍を置いて、勉強したり研究したりすることで大卒と同じ資格を取れるというものです。→進学に関する詳細はこちらから

寮が設置されているところが多い

続いて、高専には寮が設置されているところが多いです(府大高専など一部例外はあり)。実家から離れて、寮で暮らす高専生がたくさんいます。高専の寮は、高専の校舎の近くに設置されており、徒歩数分程度で教室につきます。また、寮では食事が毎食提供され、居住空間については共用のものもありますが不自由なく暮らすことができます。

実家から学校まで離れている人や、奥地に住んでいる人などには非常に役に立ちます。そして、下宿よりも格段に安い賃料で住むことができます

卒業研究がある

卒業研究については既に何度か述べましたが、改めて詳細に解説します。

高専では5年生になると卒業研究というものがあります。これは、自分の専門分野に関する研究です。研究の内容は所属する研究室によって異なります。自分でテーマを決めるところもあれば、研究室に配属された段階で研究テーマが決まる、すなわち研究テーマを所属研究室の教授(先生)から与えられるところもある。

研究室配属は4年の後期にあり、この段階でどの教授のもとで卒業研究をするかが決まります。入る研究室は自分の意思で選ぶことができ基本的に本人の希望に沿うことになりますが、希望した人が多く、定員を超えている場合は成績の良さによって選ばれます。すなわち、定員を超えた場合は成績の良い人が優先的に希望の研究室に入ることができ成績の悪い人は弾かれるということです。研究室にはアタリハズレがあるので、成績の悪い人はハズレの研究室に配属されがちになります。

5年生では、卒業研究が学業において中心的になります。5年後期は学業に当てる時間のほとんどが、卒業研究になります。これは、座学の授業が減っているというだけで、卒業研究の大変さを表しているわけではありません。卒業研究自体はそこまで大変ではありません。ただし、卒業研究の発表前や卒論の提出時期は忙しくなります。

YouTuberかっつーについて

高専をYouTuberの「かっつー」をきっかけに知った人も多いのではないでしょうか。

彼は、仙台高専の情報系学科出身で、現在はYouTuberをやっている方です。最近はShorts動画をたくさんあげており、数百万再生される動画も少なくありません。2022年9月現在のチャンネル登録者数は110万人です。

実は筆者も結構昔からかっつーさんの動画を見ていました。見始めたのは登録者が10万人程度の時だったと思います。

 

この方がYouTubeで発信している内容の1つとして、「高専」があります。実際にかっつーさんのYouTubeを見ていただけるとわかると思いますが、かなりネガキャンが多い、すなわち高専の悪い部分に偏って発信しているという印象を受けます。具体的には、高専に関するかっつーさんの発信の内容はだいたい次のような感じです。

  • 女子が少なくて青春がない
  • オタクばっかり
  • 学業が大変
  • 高専は地獄

同じ高専生として、この発信の内容について解説しておく必要があると感じました。

僕も元高専生ですが、この内容は大げさに言っている部分が多いですし、偏りがあると言わざるを得ません。視聴者へのインパクトを大きくするためにあえてそうしているところはあると思いますし、ビジネスとしてYouTubeをやっている以上間違っていない戦略だと思います。大げさに言うことで面白くなっているところもありますし、僕自身も楽しませてもらっているので批判するつもりとかはないです。

では、元高専生から見て実際のところどうなのかを上に挙げた4点について以下で解説します。結局のところ僕が言いたいのは、「かっつーさんが動画で言っているほど高専は悪いところではないよ!」ということです。

女子が少なくて青春がない

「女子が少ない」これは全くその通りで、高専の女子率は22%程度です。従って、高校生が過ごすような青春は高専生には遠い存在かもしれません。普通に生活していたら彼女だって出来づらい環境にあります。行動しない人は、女性経験をほとんど積むことなく高専生活を終えます。

ただし、すべての高専生にこれが当てはまるわけでもなく、女性関係が豊富な人も意外と結構います

学校のイベントや、課外活動等に積極的に取り組んでいる人はわりと女性関係があります。あとは、高専以外のコミュニティーを持っている人です。例えば、バイトや留学、趣味のつながりなどです。また、女子の多い学科も存在します。例えば建築系の学科は女子の割合が高く、経験上の推定ですが大体30%~50%程度が女子です。ちなみにかっつーさんの出身である情報系の学科は、高専の中でも女子が少ない学科に分類されます

それから、今の時代18歳以上であればマッチングアプリを使えば、簡単に女性との出会いを増やすことができますから、女性経験については結局その人がどれだけ行動したかで決まると思います。

ただ、高校のような青春を求めるのであれば、間違いなく高校へ行くしかないです。もちろん高校へ行けば確実に青春を味わえるとは限りませんが。。。

オタクばっかり

「オタクばっかり」これは学科によりますかっつーの出身の情報系は特にオタクタイプの人が多いです。情報系というのはパソコンをいじるのがメインなので、読者の方もそういうイメージで違和感ないのではないでしょうか?

一方で、建築系や環境系は社交的な人が多いし、女子も多い傾向にあります。もちろんオタクタイプの人も一定数いますが、情報系ほど多くはありません。遊んでる人も結構います。

学業が大変

「学業が大変」これは間違いないです。高専では成績が6割り切ったら落単し、一定以上落単すると進級や卒業ができません。なので、ある程度の勉強が必要になります。とは言っても高専入試というわりと難しい試験を突破している人たちなので、ある程度ポテンシャルはありますし、学業が死ぬほど辛いかといわれたらそうでもありませんむしろ浪人が当たり前のように発生する高校のほうが勉強大変では?と思ってしまいます。

高専の学業が大変と言われる一つの理由として、レポートがあります。このレポートというのは、大学の理系レポートみたいな感じです。大体のレポートは数千文字から多いものになると数万文字程度にもなります。レポートは主に実験科目で出されます。レポートが1つだけ課されている状態であればさほど大変ではないですが、複数のレポートが同時に課されるとかなり大変になります。レポートの量は学科や学校によります。

僕の通っていた豊田高専電気電子システム工学科は実験レポートのみだったので、さほど大変ではありませんでした。環境科の友人もレポートはあまり大変ではないと行っていました。一方、機械科は友人に聞いた感じかなり大変そうでした。このように学科によってまちまちです。かっつーさんの所属していた学科もおそらく、レポートが大変だったのではないかと思います。

 

かっつーさんの動画を見た方は、高専では留年や退学が多いというイメージを持たれるかもしれませんが、数値で見ればそこまで多くはありません。もちろん学校・学科によって異なりますが、高専全体の留年率は3.7%程度であり、そのうちの約8割が単位不足による留年です。すなわち留年する人は全体の3%程度なのです。また、退学の割合は全体の2.6%程度です。

参考文献→文部科学省.”資料3_高等専門学校における教育改善状況等に関する調査結果について

 

高専は地獄

「高専は地獄」これは完全に人によります

具体的には以下の2点が、高専に対する満足度に関わっていると考えられます。

  • 自己決定による高専入学かどうが
  • モノづくりに興味があるかどうか

上記の2点について以下でそれぞれ解説します。

高専生活を振り返った時に満足できるかできないかは、結局のところ「高専へ行く」という決定を本人がしたのかどうかという点が大きく影響していると考えられます。これは人間の心理的な部分になりますが、自分の人生を自分の意志で決定しているという実感、すなわち自己決定感がその人の幸福度に大きく影響を与えると言われています

わかりやすく説明すると、例えば親の言いなりで自分の進路を決めてしまった場合、その先の人生で大変なことがあるたびに「こんなに大変な思いをしているのは親のせいだ」といった感じで親のせいにできてしまいます。もしも自分で進路を決めていれば、他人のせいにはできず、自分で決めた人生をより良くしようと自然と思えるはずです。このモチベーションこそが、人の成長を促す役割を果たし、成長の先にはより良い自分があるはずですから、結果的に人生の満足度を大きく上げてくれるという理屈になります。

このように親が進路を決めたか自分で進路を決めたかで、自分の人生に対しての満足度が大きく変わります。かっつーさんは自身の動画で、高専は親の勧めで入り、入りたくないと思いながらも入ったとおっしゃっていました。かっつーさんが「高専は地獄」といっているのは、これによる部分も少なからずあるのではないかと考察できます。

ただ、人間は基本的に過去の経験を美化する生き物なので、かっつーさんも心の底から今もなお「高専は地獄だった」と思っているかは定かではありませんが。。。

 

それから、高専が地獄だと感じるかどうかの要素として、「モノづくりに興味があるかどうか」という点があります。モノづくりが好きだったり、モノづくりに興味がある方にとってはわりと楽しめると思います。自分も小学生中学生の時は、図工や技術の授業が好きでしたし、何かを作ることは好きだったので、高専生活を振り返って「楽しかったな」という感想を持っています。

ただ、モノづくりに興味が無い場合はそれほどオススメできません。こういう人は親の言いなりで高専に入らないほうが無難です。

高専に5年間通った感想

個人的な感想になりますが、全体的に見れば高専に行ってよかったなと思っています

高専というのはコスパが良いです。僕は大学編入をしましたが、普通の大学入試を受けるよりも多分楽ですし、学費も割安です。

それから寮生活も楽しいことが多かったです。寮で仲良くなった人と、一緒に御飯を作ったり、休日にいろんなところに遊びにいったりなど、いい思い出が多いです。

5年間一緒にいるクラスのメンバーですから、仲の良い友人もできます。

 

一方で、学業が大変であったり女子が少ないといった難点もあります。

なので、高専行ったほうが良いのかどうか迷う方も多いと思います。

このような方に向けての助言になりますが、本人がモノづくりに興味を持っているのであれば、高専はオススメです。

モノづくりの経験がなくても興味さえあればOKです。高専にはモノづくりが本当に好きで来ている人も一定数います。そういった人たちは積極的にモノづくりの活動をしており、周りにこういった人たちがいることで、「自分もやってみよう」というモチベーションに繋がるはずです。授業でもモノづくりの理論となる工学の分野を学ぶことができます。従って、経験はなくてもモノづくりをしてみたいという意志さえあれば、高専には向いています

あるいは理系科目が好きな人も向いていると思います。高専で学ぶ専門分野は理系科目なので。

逆にモノづくりや理系科目に興味がない場合は、あまりオススメしません。高専にはモノづくりを学べるということ以外もメリットがあるとは言え、やはり学生生活の中心となるのは学業です。高専で学ぶ内容に興味がわかないのであれば、学業が苦痛になります本業を頑張るからこそプライベートが充実するものだと思っています。従って、高専で学ぶモノづくりや理系科目に興味が湧かないのであれば、高校へ行くのが無難だと思います。

高専で何が学べるかは学校によって異なるので、候補となる高専のホームページを確認してみましょう。

 

まとめ

この記事では、高専について解説しました。

まず、高専についてサクッと知りたい方のために、高専のイメージを作る上で最低限の解説をしました。高専をざっくりまとめると「中学卒業後に入るモノづくりを学ぶ5年制の学校で、卒業後は就職か進学をするようなところ」みたいな認識で大丈夫です。

 

次に、高専について詳しく知りたい方向けに、各学校との比較と高専のその他特色、YouTuberのかっつーについて解説しました。

 

最後に高専に5年間通った個人的な感想を紹介しました。モノづくりに興味のある人は高専オススメです。

 

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

このブログでは、高専に関する情報を他にも発信しています。高専に関する記事はこちらのリンクから→高専に関する記事の一覧

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