こんにちは、Black Rockです。
今回は高専から編入に失敗した時の進路の選択肢を解説します。
- 編入に全落ちしてしまったのだけど、どのような進路があるのか知りたい
- もし編入に失敗したらどのような選択肢があるのか知りたい
- 研究生について知りたい
このような疑問を持っている方の参考になれば幸いです。
この記事の筆者である僕も編入試験に失敗し、現在は高専の研究生という制度を利用しています。
今回は僕の経験も踏まえて、編入試験に失敗した時の選択肢について解説します。
高専生が編入試験に失敗した時の進路
高専生が編入試験に失敗した時の進路は大きく次の3つです。
- 就職
- 研究生
- 独立する
上の3つについてそれぞれ解説します。メリット・デメリットも紹介するので参考にしてください。
就職
「編入試験に全落ちしたタイミングで就活とか手遅れやろ…」と思った方もいるかも知れませんが、実は就職は現実的な選択肢なのです。
ほぼすべての国公立大学の編入試験が終了する10月頃からでも就職活動は可能です。実際に僕の友人で編入試験に全落ちしてから就活を始めて、無事就職した人もいます。
ただ10月にもなると、ある程度企業の選択肢が減ってきます。もちろん、早いうちから対策を始めた人のように上手くいかない可能性もあります。
高専生の就活では、学校推薦と自由応募の2択があります。学校推薦は、高専生が希望している企業に対して、高専側がその企業へ推薦状を書いて紹介することです。学校推薦の場合は複数の企業には応募できません。自由応募は、志望する企業に自分で応募します。自由応募は複数の企業に応募できます。→学校推薦と自由応募の詳細についてはこちら
学校推薦を使う場合、まずは指導教員などに相談してみましょう。
自由応募をする場合は、就活サイトなどから志望する企業を選び、応募しましょう。下に高専生向けの就活サイトへのリンクを貼っておきます。↓
就活において必要な対策として、自己分析やES(エントリーシート)、適性検査(筆記試験)、面接などがあります。
自己分析というのは、自分にはどのような業種が向いているのかをというのを判断するために必要になります。→自己分析のやり方はこちら
ES(エントリーシート)とは、就活において学生が企業に提出する応募書類の一つです。面接時の参考資料や、選考の第1段階として使われたりします。→エントリーシートの書き方についてはこちら
適性検査とは、企業が求める職務要件を満たしている、もしくはその可能性が将来的に期待できる人材であるという判断をするための基準を測定するものです。適性を判断する基準は主に以下の3つです。
- 基礎能力(職務を遂行するための知識や技術を取得する能力)
- 情緒的・性格の特性(職務や職場風土に順応する能力)
- 動機・将来への展望・価値観(企業貢献やキャリアプランなど、ビジョンの有無)
適性検査は企業によって異なるものですが、ある程度の傾向は確認しておきましょう。→参考記事
面接については説明するまでもないと思いますが、志望理由や学生時代に頑張ったことなどを聞かれるやつです。対策としては、やはり本番に近い対人で練習するのが良いと思います。面接のマナーやよく聞かれる質問、準備方法などはこちらの記事を参考にして下さい→【就活面接で準備しておくことは?】面接マナーとよく聞かれる質問を確認しておこう!
以上の通り、就活の対策には結構手間がかかりますし、一人でやるのも大変なので、就活サービスを利用するのがオススメです。
例えば、「UZUZ」という無料の就活支援サービスがあります。新卒の後期就職(秋冬採用)を支援するサービスです。
提供しているサービスとしては、以下のようなものがあります。
- カウンセリング(自己分析にあたる部分)
- ES(エントリーシート)の添削
- キャリアカウンセラーによる面接対策
- 自分にあった企業の紹介(ブラック企業の排除)
- 就職後のサポート
上記のサービスはすべて無料で利用できます。
「すべて無料で利用できるのは怪しい」というイメージを持たれるかもしれませんが、求人を出している企業からの広告費や紹介料で収益を得ることによって成り立っており、そのため就活生は無料で利用できるという仕組みです。こういった就活サービスではよくあるビジネスモデルです。
やはり経験のある人に任せてしまうのが楽ですし、失敗のリスクも減らせます。下のリンクから無料相談できます。
続いて就職のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
経済力がつく
大学に行けば、あと数年学生生活を送るわけですが、就職してしまえば貧乏学生から抜け出すことも可能になります。
早いタイミングで社会に出られるということ
大卒・大学院卒の給料に負けてしまう可能性はあるのですが、早いタイミングで社会に出れば単純にその時間分獲得できる給料も増えるという点がよいと思います。
また、社会的なスキルを早いタイミングで習得できる点も良いと思います。
学校の勉強をしたくないのであればアリ
学校の勉強をこれ以上したくない方にとっては、就職は魅力的な選択だと思います。
ただ、業種にもよりますが社会人になってから勉強しなくて良いというわけではありません。
例えばITの分野では新しい技術がどんどん出てくるので、ITエンジニアはそれらについて勉強して理解を深めておく必要があります。
一旦就職してから、キャリアアップのために編入試験を受けることもできる
一旦編入を諦めて就職し、社会人生活を送る中でもし学歴による壁にぶち当たったら、キャリアアップのために大学へ行くという選択もあります。高専を卒業していれば、就職した後でも編入試験を受けることは可能です。編入試験の学生募集要項の出願資格を読めばわかります。
デメリット
就活するエネルギーが残っているか問題
これは僕の実体験でもあるのですが、編入試験に全落ちした時にかなりエネルギーを消耗してしまっていて、すぐに就活を始められるエネルギーが残っていない場合があります。
就活したとして必ずしも進路が決まるわけではない
編入試験に全落ちし、そこから就職先を探し始めても必ずしも進路が決まるわけではありません。
10月にもなれば就職できる企業の選択肢も減ってきていることでしょう。
大卒に比べて高専卒は給与面で不利になる場合が多い
高専の就職説明会などに参加した皆さんは知っていると思いますが、高専卒の給与は大卒に劣る場合が多いです。特に大きい会社になるとそういった場合が多いです。
構造的に決まってしまっているので、高専卒でどれだけ能力が高くても給与の壁を超えることは困難です。
実際に以前トヨタの社員さんと話す機会があったのですが、高専卒の部下が昇進のために会社を休んで大学へ行ったという話を聞きました。
高専卒は大卒と比べて不利になる場合が多いのですが、最近は高専卒でも大卒と同じ給料を出してくれるところもあります。
このような待遇の良い会社を選びたいところなのですが、就職先の選択肢が減っているというのもあり、高専卒に不利な条件を飲まなければいけないこともあるということに注意してください。
研究生
研究生も現実的な選択肢です。
もしあなたが編入試験に全落ちし、来年再チャレンジすることを決めているなら、研究生を利用したほうが良いと考えられます。
研究生になれば社会的に一応学生として見られるという利点があります。
これは僕の経験なのですが、社会的に見て学生という肩書があるだけで精神的に楽な気がします。これは、自分の身分を会話の中で相手に伝えたり書類に書いたりする機会に感じます。
「いまは〇〇高専という学校に通ってます」と「今は浪人しています」では相手に与える印象が結構違うと思いますし、前者のほうが気楽に伝えられます。
研究生を利用しない単なる浪人であれば、無職みたいなものです。「学生の方ですか?」とか「社会人の方ですか?」とか聞かれた際の返答に少し苦労する気がします。
また、研究生を利用すれば履歴に穴が空くことを防ぐことができます。
履歴に穴があかないということは就職でも不利になりづらいということです。これは高専の教授がおっしゃっていたことです。
ただ、来年再チャレンジすることを決めている人が研究生を検討する際に注意してほしいことが2つあります。
- 学費がかかるということ
- 研究生になったからといって学生料金は使えないということ
研究生を利用せずに浪人すればもちろん学費はかからないのですが、研究生を利用した場合は学費がかかります。
僕の高専では入学料が25000円ほど、授業料が月額13000円程度でした。正規の学生と比べれば安いのですが、少し痛い金額かもしれません。
続いて研究生のメリット・デメリットを紹介します。
ここで紹介するのは他の選択肢(就職・独立)と比較した際のメリット・デメリットです。
メリット
特に試験などもなく気軽に利用できる
研究生を利用したいと思ったら、基本的に書類を書くだけで通ります。研究生の募集要項には書類と面接で選考を行うと書かれていましたが、実際には面接はありませんでした。
編入試験に疲れた人にとっては、これ以上試験を受ける必要がないという点で魅力的でしょう。
よりレベルの高い大学を目指すことが可能になる
そのまま勉強を続ければ約1年間勉強できるので、よりレベルの高い大学を目指すこともできます。
実際に僕がそうで、5年生のときに受けた京都工芸繊維大学と岐阜大学には失敗したのですが、研究生で勉強に専念した結果、京都工芸繊維大学だけではなく大阪大学にも合格することができました。
デメリット
モチベーションを保てるかどうか問題
研究生になった場合、仲間が少ないのでその分モチベーションを保ちづらいという問題点があります。
また、人間関係が少なくなるので精神的にも良くありません。自分から人と関わる機会を作る必要があると思います。
実質浪人なので1年分のロスがある
研究生といっても浪人みたいなものなので、1年分のロスがあると言ってもいいでしょう。
学費を出す親からすれば、好ましい選択だとは言えないと思います。
僕も浪人したいということを親に話したら、「他に受験できるところを探したらどうか?」「就職という選択肢は無いのか?」といった感じで渋られた覚えがあります。
なので、親を説得できるかというのも問題になってくるかもしれませんね。
独立する
独立には個人事業主になるか起業(法人化)するという2つの種類があります。
ただ、独立するという選択はあまり現実的ではないと考えられます。
大半の高専生にとってデメリットが大きくなってしまうからです。
それでは独立という選択のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ビジネスのスキルが身につく
独立した場合、就職に比べてより多くのビジネススキルが身につくと考えられます。
会社員として働けば業務が分担されていますが、独立した場合は外注しない限り1人でやりくりする必要があるからです。
成功すれば大きな利益を生み出せる
会社員であれば、どれだけ利益に貢献しても会社に吸収されてしまいます。
独立した場合は、会社員とは違って利益が収入に直結するという利点があります。
従って成功すれば大きな利益を獲得できます。ただし成功するのは簡単ではありません。
デメリット
ハードルが高すぎる
これは多くのビジネススキルが身につくということの裏返しで、大量のスキルが必要とされるためハードルが高いということです。
高専でかなり積極的に活動してスキルがある程度身についている状態であればハードルは下がりますが、大半の人はそうではないと思います。
就職の場合は、スキルが低い状態でもある程度の給与が保証されているので、社会に出る第1歩としては就職のほうが無難だと考えられます。
リスクが大きい
高専を卒業してそのまま独立すると、他からの収入がないので、生活が成り立たなくなるリスクもあります。
本業として会社などで安定した収入を得ながら、副業で自分の事業を大きくして、本業よりも収入が大きくなったら独立するというのが無難なルートです。
安定しない
会社員の給料が安定しているのに対して、独立した場合は収入を安定させるのが難しいと考えれます。
収入が安定しない分、精神的な安定も得づらいということになります。
実際に研究生を利用している僕が思うこと
この章では、実際に研究生をしている僕の感想をお伝えします。
研究生を利用して印象的なことは2つあります。
- 基本的に仲間がいないので孤独な戦いになる
- 編入試験が終わってからがとにかく暇
- 特にオススメはしない
それぞれ詳しくお話します。
基本的に仲間がいないので孤独な戦いになる
5年生で編入試験を受験するときは周りにも受験する人たちがいるので、一緒に勉強を頑張れるのですが、研究生になるとそういった仲間が基本的にいません。
なので、基本的に1人で対策を進めていくことになります。また、普段の人間関係も減ってしまうので孤独な戦いになりがちです。
編入試験が終わってからがとにかく暇
研究生では、特に学校に行って研究をしたり授業を受けたりすることがないので、編入試験の勉強に生活の殆どの時間を費やすことになります。
そして、編入試験が終わると生活の大部分を占めていた勉強の時間がなくなるので、一気にやるべきことが減り、暇になります。
忙しいのも大変なのですが、暇すぎても辛いんですよね。。。
これは僕の実体験なのですが、編入試験が終わったら少し休もうと思い、家でゆっくりとしていたのですが、なんのやる気も生まれず、無気力になりました。
そして家にこもってダラダラと無気力な生活をしているとだんだん病んできます。何もしていないのになんかしんどいという状態になりました。
このままではまずいと思い、最近では外に出てバイトをしたり、ボルダリングジムに通ったりしています。
研究生という制度を利用していても特に何もイベントがありません。自分から行動を起こしていかないと何もイベントが発生しないのです。
これは裏を返せば、時間は腐るほどあるので何かに挑戦する良い機会だということです。
研究生を利用する際には編入の勉強とは別で、裏テーマを用意しておくと良いと思います。
つまり、編入試験が終わった後に挑戦したいことを予め用意しておくということです。
特にオススメはしない
実際に研究生をしている僕が、編入試験に失敗した人に対して、研究生になることを勧めるかと言われたら、特にオススメはしません。
もちろん、既に次年度の編入試験に再チャレンジすることを決めている人には研究生の利用を勧めますが、そうでない人には特にオススメするということはしません。
僕としては就職も全然アリだと思っています。自分自身の意思で決定すると良いと思います。その際の判断材料として、この記事を参考にしていただければ幸いです。
なぜオススメしないかと言うと、浪人というのはかなり大変なことだからです。一番大変なのは精神面です。
浪人すると辛いということを聞いたことがある人も多いと思います。これは実際に浪人中の僕もそう思います。
これは、浪人すると人間関係が減ったり勉強で家にこもりがちになったりと、精神面に良くないことが多いために起こることだと思います。
実際に僕の場合は、浪人中の最初の3ヶ月くらいは元気だったのですが、後半戦で自律神経失調症になり、心身ともに辛い思いをしました。編入試験が終わって数ヶ月経った今でも、そのしんどい症状が現れることがあります。
「個人差はあるが、浪人すると環境の問題でメンタルがやられやすい」ということを考慮して進路を決定するのが良いと思います。
まとめ
今回は、高専から編入に失敗した時の選択肢を紹介しました。
選択肢は大きく3つあります。
高専から編入に失敗した時の選択肢
- 就職
- 研究生
- 独立する
就職のメリット・デメリット
- 経済力がつく
- 早いタイミングで社会に出られるということ
- 学校の勉強をしたくないのであればアリ
- 就活するエネルギーが残っているか問題
- 就活して必ずしも進路が決まるわけではない
- 大卒に比べて高専卒は給与面で不利になる場合が多い
研究生のメリット・デメリット
- 特に試験などもなく気軽に利用できる
- よりレベルの高い大学を目指せる
- 研究生仲間がほとんどいないのでモチベーションを保てるか問題
- 実質浪人なので1年分のロスが生まれる
独立のメリット・デメリット
- ビジネスのスキルが身つく
- 成功すれば大きな利益を生み出せる
- ハードルが高すぎる
- リスクが大きい
- 安定しない
個人的には就職か研究生が現実的な選択で、独立するのは難易度が高いのであまり現実的ではないと考えています。
最後に、実際に研究生を利用している僕が思うことを3つ紹介しました。
- 基本的に仲間がいないので孤独な戦いになる
- 編入試験が終わってからがとにかく暇
- 特にオススメはしない
研究生になると、基本的は仲間がいないので、孤独な戦いになりがちです、
浪人するならば、編入試験が終わってから無気力になってメンタルがやられないように、裏テーマを用意しておくと良いです。
僕から研究生になることをオススメは特にしません。自分の意思で決定するのが良いと思います。
その際に、「個人差はあるが、浪人すると環境の問題でメンタルがやられやすい」ということを考慮して進路を決定するのが良いと思います。
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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