令和4年度 京都工芸繊維大学 情報工学課程 合格編入体験談

大学編入

こんにちは、Black Rockです。
2021年7月3日に行われた、令和4年度京都工芸繊維大学工芸科学部情報工学課程の3年次編入試験を受験しました。
志願者は66名いて、そのうちの合格者は2名という激戦でしたが、幸いにも合格することが出来ました。

 

 

今回はその体験と、読者の方に役に立つような情報を共有できればと思い、この記事を書きました。

 

(2021/9/15追記)

京都工芸繊維大学の過去問解説を作成し、noteに投稿しています。こちらから御覧ください。

 

自己紹介・スペック

僕は現在、豊田高専の研究生をやっています。研究生というのは高専の本科を卒業した後に利用できる制度です。本科では電気・電子システム工学科というところに在籍していました。

実は昨年も、京工繊を受験したのですが不合格で、他に受験した大学も不合格でした。そのため進路がなく、研究生という制度を利用することにしたのです。

この失敗談ついてはここで書くと長くなってしまうので、こちらの記事で詳しく書きました。また、研究生という制度について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

 

高専時代のスペックについては、大したことはなくて、2年生から堕落して成績も下から数えたほうが早いくらいでした。だいたい下の中くらいでした。

TOEICは浪人確定後の、5年生の12月に受験したもので、810点です。

京都工芸繊維大学を受験した動機

志望の動機は以下の3点

  • 京都という土地が良いと思った。
  • 興味のある研究室があった。
  • 試験内容が、数学と情報基礎のみ。

 

電気から情報へ分野を変えた動機としては以下の2点

  • 電気の分野よりも情報の分野に興味があった
  • 情報化による社会の需要の変化

試験対策の流れ

5年生春

だいたい3月の末くらいに、電気科から、分野を変更して、京都工芸繊維大学の情報工学過程を目指すことを決心しました。

今客観的に見て、この時点でこの決断をしたのは遅すぎると言ってもいいです。分野を変えたいならば1年くらいの時間はあったほうがいいと思っています。

 

まず過去問を見て、数学に関してはその時点で少しは対策していたので、「あと数ヶ月勉強を頑張れば解けそう」くらいのレベルでした。

ただ、専門の情報基礎に関しては、何を言っているのかさっぱりわからないといった問題が多くあり、その時点でかなり厳しいかもという印象を抱きました。

それでも、電気系の分野ではなく、情報系の分野を学びたいという思いがあったので、そこで諦めることはなく、専門教科を試行錯誤して勉強していくことになります。

 

まず、過去問で出題されているのが何という分野・教科なのかがさっぱりわからなかったので、情報基礎の対策をするにあたって初めにやったのは、高専の情報科の先生に聞きに行って過去問で出題されている問題の分野や教科の名前を尋ねるということです。
それから、その先生から「大学のシラバスを見てみると良い」という助言をいただきました。

これによって、試験の出題範囲がわかり、ある程度試験対策の方針が見えてきました。ただ、かなり時間が限られているので、厳しい戦いになるだろうということを察しました。

 

前置きが長くなりましたが、以下で数学、情報専門科目、TOEICについてやったことを書きます。

※英語に関して、この時点では、僕は提出できるTOEICのスコアを持っていなかったので京工繊の試験の2日目に行われるIP試験を受けることにしていました。そのための対策です。

数学

  • 過去問
  • 問題集

この時期で「編入数学徹底研究」という問題集の、京工繊の出題範囲を1周しました。

情報専門科目

  • 過去問
  • C言語の文法・基礎
  • 数の表現
  • 線形計画問題
  • ヒューマンインターフェース(用語まとめ)

C言語に関しては、文法すらあまりわかっていなかったので、高専時代に使っていた、C言語初学者向けの本をやっていました。ヒューマンインターフェースは、図書館で借りた本を読んで、重要語句をマインドマップ(XMind)にまとめていくという作業をしました。

TOEIC

  • 単語
  • シャドーイング
  • 模試

模試を解いてみて、リスニングが絶望的に聞き取れなかったので、リスニング対策として、シャドーイングをやりました。

 

5年生夏

このあたりから、不眠症になり、かなりしんどい思いをしながら勉強していました。正直、パフォーマンスは結構低かったと思います。

数学

  • 過去問
  • 問題集

情報専門科目の対策が忙しくて、数学に関しては優先度を下げてあまり、問題をたくさんこなすということをしませんでした。問題集の中でも、京都工芸繊維大学の過去の出題問題のみを重点的に解けるようにするといった偏った対策をしていました。

情報専門科目

  • 過去問
  • C言語の文法・基礎
  • 情報理論
  • 線形計画問題
  • 情報セキュリティ(用語)
  • コンピュータアーキテクチャ(用語)

ヒューマンインターフェースと同様に、情報セキュリティ・コンピュータアーキテクチャの重要語句をマインドマップにまとめました。そしてそれらを、小テスト化して覚えました。特に、京工繊のシラバスに書かれていた重要項目に関しては重点的に覚えました。

TOEIC

  • 文法
  • シャドーイング
  • 模試

リスニングの点数を上げるために、TOEICのシャドーイング用の本を買って、それをひたすらシャドーイングするということをしました。文法に関してはPart5の問題を早く解くことができるようにするためのものです。

 

2020年8月末に京工繊の試験があり、僕はそこで合格することが出来ませんでした。

敗因としては、短期間でいろいろなものを詰め込みすぎたせいで一つ一つが定着しておらず、数学もおざなりにしていたので、応用力も低いし計算スピードが遅かったということなどが考えられます。TOEICのIP試験に関しては、まだ健闘した方で、750点でした。

京工繊の編入試験の配点は、数学200、情報基礎200、英語(TOEIC)100だったので、英語の出来が試験の合否に与える影響は小さく、英語で多少高い点を取れても、他の受験者と差が開かないわけで、そういった意味でも、試験対策の時点で英語よりも数学や情報基礎の勉強に注力するべきだったなと思っています。

 

5年生秋

正直、僕は浪人しても良いと思っていましたが、ここで諦めては親に申し訳ないという気持ちで、その時点で出願が可能だった岐阜大学を受験することにしました。

岐阜大学も受験しましたが、不合格でした。岐阜大学の受験日の帰り道で、来年に向けてTOEICの出願をしたのを覚えています。ここで、1年浪人することを決断しました。

 

そこから、卒業研究が本格化する中で、TOEICや情報の専門の勉強を進めていくことになります。

5年生冬

2020年12月に行われた、TOEICの公式テストで、810点を取得しました。

次の年も、京工繊は受けるつもりでいたので、専門対策もしていくことになります。京工繊の専門対策は今までやった範囲は、試験が近づいたら復習すれば良いと思って放置し、カバーしきれていなかった離散数学という分野をやりました。

それから、他の受験校を考え、大阪大学、九州大学、筑波大学も視野に入れて、アルゴリズムの勉強も開始しました。 僕は卒業研究で、あるシステムの開発をしていて、そこで得たプログラミングの知識や考え方が、アルゴリズムへの理解力を上げてくれたように感じました。

数学の学習も並行してやり、微分方程式や、確率・級数の勉強をしました。微分方程式はより応用的な問題を、確率・級数に関しては基礎をやりました。(確率・級数は旧帝大用の対策)

 

この時期は、卒業研究にもかなり力を入れていたので、編入対策にはあまり時間を割いていませんでした。

研究生春

まず、志望校の選択肢を6つまで絞りました。そこから、学生募集要項が公開されていき、受験日や、合格発表日、入学確約日などの関係で、志望校を4つにしぼりました。京工繊、大阪大学、九州大学、新潟大学です。この時点ではさほど自信もなく、とりあえず、数多く受けてどれか受かればいいだろうと考えていました。

一応、第一志望群が、京工繊、大阪大学、九州大学で、滑り止めが新潟大学です。どれが第1志望とかは決めていませんでした。決める必要もありませんでしたし、ある大学を第1志望と決めることによって、その大学の試験にを受験する際に大きなプレッシャーがかかってしまうだろうと予測し、それは意味がないと思ったからです。

志望校を決めたら、過去問を精査して、学習計画を立てました。これが意外と時間の掛かる作業で、1週間くらいの時間を費やした覚えがあります。

計画を立てない派の人もいるのですが、僕は立てたほうが良いと思っています。合格するためにはどのようなタスクをこなす必要があり、そのタスクを消化するためにはどのくらいの時間が必要で、そしてそれらをどのタイミングで配置するかを全て頭の中で思い描くのは非常に困難なことだと思っているからです。

僕がどのような戦略で学習計画を考えたかは別の記事で説明したいと思います。編入を攻略する上で最も重要な部分の1つだと個人的には思っています。

学習計画を立て終わったら、本格的に試験対策を始めていきました。これが3月の上旬頃です。

ちなみに、僕は予備校などを利用しなかったので、完全に独学で自分で考えた戦略に従って試験対策をしていきました。

やったことは以下のとおりです。併願校の対策もしていましたが、ここでは京工繊のためにやった対策のみを示します。

数学

  • 線形代数
  • 1変数・2変数の微積分
  • 微分方程式
  • インターリーブ学習(微積分、線形代数、微分方程式)

まずは理解を深めるために、ある程度まとまった時間を取って数学の1つの分野に集中的に取り組むという学習スタイルを取りました。つまり、未習あるいは理解の浅い分野を学ぶ時は、1日でその教科の複数の分野をやらず、1つの分野のみを逐次的に勉強するということです。数学とは別の他の教科(英語、専門)の勉強は並行してやっていました。

これによって、それぞれの分野の理解度を深めた後、インターリーブ学習という学習スタイルに切り替えました。これは、前述の学習スタイルとは対称的に1日にその教科の複数の分野を、分散的に勉強するというスタイルです。これは応用力を上げるための学習方法です。

 

情報基礎

  • アルゴリズム
  • AtCoder
  • 計算機工学(論理回路、数の表現)

アルゴリズムは京工繊の試験だけ見れば、わざわざ勉強する必要は無かったかもしれませんが、旧帝大も併願していたのでそちらの対策用でもあります。ただ、ここで学んだ計算量という概念は、今年の試験では役に立ちました。

AtCoderは競技プログラミングのサイトで、僕はそのサイトにある過去問を解いていました。AtCoderの問題は、コードを1から書くというものなので、基本的に穴埋めの京工繊のアルゴリズムの問題では、意味を成さないように見えますが、基礎的な文法やプログラミングにおける思考力の向上が得られるので、やる価値はあったと思います。

計算機工学では、数の表現や、論理関数の基礎や、組み合わせ回路、順序回路の演習を中心に行いました。

研究生夏

引き続き、学習計画に従い、対策を進めました。進捗を見つつ、自分の努力が正しいかを疑いながら、学習計画を改善するという作業も定期的に行っていました。

数学

  • インターリーブ学習(微積分、線形代数、微分方程式)
  • 線形代数(ベクトル空間と線形写像)
  • 過去問

引き続き応用力を上げるためのインターリーブ学習を行いました。ベクトル空間と線形写像に関しては京工繊では殆ど出ないので、どちらかというと旧帝大の対策です。

試験1週間前くらいに過去問を手元にある7年分を解き、平均して9割は取れる実力があり、時間は安定して70分程度で解き終わるということを確認しました。数学に関してはある程度自信を持って試験に挑むことができそうだなという印象を抱きました。

 

情報基礎

  • 情報理論
  • システム論(線形計画問題、線形システム)
  • ヒューマンインターフェース、情報セキュリティの用語
  • 過去問

試験の1ヶ月前くらいから、昨年京工繊の対策として勉強した情報理論、システム論、ヒューマンインターフェース、情報セキュリティの復習を行いました。

情報理論は昨年の対策での理解が浅かったのもあり、思ったよりハードでした。

ヒューマンインターフェース、情報セキュリティの用語は去年作成した小テストがあったので、それをやるだけで楽でした。正直この分野は出題される確率が低いというのが、過去7年分の過去問からわかっていましたので、完成度はそこまで上げませんでした。

試験1週間前くらいに過去問を手元にある7年分を解き、平均して8割以上は解けるということを確認しました。ただ、年によっては時間が足りなくなるということもあり、それが、懸念点でした。

 

試験前日・当日の流れ

試験前と、試験当日に関しては別の記事で詳しく書いています。より当時の状況が詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。

ここでは、大まかに説明したいと思います。

試験前日

こちらの記事でも書いていますが、僕は京工繊の試験が終わった後に自律神経失調症の診断を受けました。この自律神経失調症の症状は、京工繊の試験期間にも現れていました。

試験前々日に最後の追い込みをやったことによって自律神経失調症の症状が悪化したため、試験前日は勉強はほとんどせず、観光をしたり、早めにホテルにチェックインして仮眠をとったりするなどしてリラックスできるように過ごしました。

観光は京都御所に行きました。ここは、敷地が広く、自然も多くてリフレッシュにはぴったりでした。御所の敷地内にある休憩所で、軽く勉強したりしました。ここはカフェのような雰囲気になっており、無料で使用できるため、勉強している人や、パソコン作業、リモート会議、iPadで動画鑑賞している人もいました。

観光が終わったら、早めにホテルにチェックインして、仮眠を取りました。今回利用したホテルは、四季倶楽部 京都加茂川荘です。おそらく、京工繊に一番近いホテルの一つであるということで選びました。ホテルは和室になっており、少し古くて清潔感は微妙でしたが、静かでリラックスできる環境でした。

 

夕食は、あまり食欲がなかったのですが、夕食の量が少ないと空腹感がストレスになって睡眠の質が激烈に下がるのが経験的にもわかっていたので、普段どおりの量を食べるように努めました。

夕食後も普段どおりのルーティーンで過ごしました。やはり次の日の試験への不安がありましたが、不安に対して注意を向けすぎないように、コントロールしつつ、普段どおりのメンタルの状態を保ちながら過ごしました。

 

就寝は12時過ぎでしたが、眠りに入ったのは1時過ぎだったかなと思います。試験に対する不安や緊張がありましたが、ある程度のコントロールはできていたみたいです。

 

試験当日

6時過ぎに目が覚めました。目覚めは悪くはありませんでした。

本当は8時くらいまで寝たかったので、2度寝しようとしたのですが、試験のことが頭をよぎってアドレナリンが出てきたので、2度寝は無理でした。

なので、とりあえず体をリラックスさせるために、朝風呂に入りました。その後、仮眠をとり、体をスッキリとした状態に持っていくことが出来ました。

朝食はスターバックスラテとナッツで、普段通り軽く済ませました。

 

当日は緊張しすぎることはなく、いい緊張感を保てていました。

試験の合間には、ウォーキングをして、脳疲労を取るともに、自律神経を整えました。

試験の内容

試験の内容についてですが、京工繊では例年試験問題が公開されているので、ここで詳しく説明はしません。ざっくりとした分野と、それぞれの出来について書きます。

数学

数学は、難易度としては例年通りで、傾向もあまり変わっていませんでした。

大問1:線形代数

大問2:1変数関数の微分

大問3:2変数関数の微積分

大問4:微分方程式

数学は、一応全て解答できたので、ミスがなければ満点です。

情報基礎

この情報基礎の試験が、合格者を削った最大の要因だと思います。例年に比べ、明らかに難化していたように思います。他の受験者でそう思った方も多いようです。

大問1:与えられた関数の最悪時間計算量のオーダー表記、2分探索法
9割程度

大問2:論理関数、順序回路、コンピュータアーキテクチャの用語、情報理論
7割程度

大問3:RCフィルタ回路、信号処理
5~6割程度

全体としては7~8割程度だと思います。

 

大問1の計算量の問題は、京工繊では過去に出ていないので、計算量のオーダー表記について知らなければ、答えられないような問題です。僕は、旧帝大用にアルゴリズムの勉強をしていたので、ほとんど解くことが出来ました。2分探索法も基礎的なアルゴリズムなので、問題なく解けました。

大問2の用語の問題は、例年と違って語句の選択肢が与えられていなかったので、知らなかったら解答できない問題でした。僕は、コンピュータアーキテクチャの用語を勉強していなかったので、適当にそれっぽい用語を書いておきました。順序回路は時間がなくて焦って解いたので半分ミスりました。論理関数と情報理論はミスがなければ満点でしょう。

大問3のRCフィルタ回路のシステムに関する問題は、7.5割程度解けました。電気出身なので満点取りたかったですけどね。。。信号処理の問題は、与えられた波形のフーリエ級数展開をして、その結果を用いて後の問題に答えるという形式でした、級数展開の公式を忘れたので1問しか解けませんでした。

今年の情報基礎の何が難しかったかというと、

  • 出題範囲がかなり広い
  • 用語の問題にて穴埋めの選択肢が示されていない
  • アルゴリズムの問題が例年の傾向からずれていた

という点です。専門に関して言えば、旧帝大よりも難しいと言ってもいいです。

 

 

僕の京工繊の編入試験での成績をまとめると、

数学:200/200、情報基礎:140/200~160/200、TOEIC:82/100

こんな感じでした。

使用した参考書

数学

京工繊の数学対策であれば正直なところ、下記の2冊あれば十分です。たくさんの参考書に手を出すよりも、この2冊の完成度を上げるという方法のほうが効率が良いし、お金もかかりません。

編入数学徹底研究

まずはこちらの参考書で基礎を学びました。

編入数学徹底研究 → Amazonリンク

 

編入数学過去問特訓

編入数学徹底研究で基礎を学んだ後、こちらのテキストで問題数をこなして応用力をあげます。こちらのテキストは難易度が比較的高いので、A問とB問が確実に解けるようになれば、京工繊の試験では十分通用します。

編入数学過去問特訓 → Amazonリンク

 

情報基礎

情報基礎は、アルゴリズム、システム論(京工繊の1年生で学習する科目)、情報理論、計算機工学、離散数学、電気回路、ヒューマンインターフェース、情報セキュリティの分野から、過去出題されています。

僕が使用した参考書の中には、京工繊のシラバスを参照して選んだものもあるので、参考書選びに関しては悪くなかったなと思っています。

 

定本 Cプログラマのための アルゴリズムとデータ構造

今年出題された計算量についても、書かれています。サンプルコードは少なめで、どちらかというと文字でわかりやすく説明してくれています。

Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造 → Amazonリンク

 

C言語によるはじめてのアルゴリズム入門

こちらのテキストは、種類が豊富でサンプルプログラムでアルゴリズムを説明しているような感じです。上の定本には載っていない、グラフ理論についても書かれています。基礎から応用まで、数多くのアルゴリズムが載っています。

C言語によるはじめてのアルゴリズム入門 → Amazonリンク

 

基礎から学ぶコンピュータアーキテクチャ

数の表現を勉強するために購入。加減算、乗除算、補数表現、浮動小数点数などについて学びました。基礎がまとまっていてわかりやすいです。

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コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とその設計

論理関数、組み合わせ回路、順序回路について書かれています。例題と演習問題が数多く記載されています。演習問題に関しては解答が載っていないのですが、正直なところ例題だけ確実に解けるようにしておけば問題ありません。僕も例題を一通り解いただけです。

コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とその設計 → Amazonリンク

 

新版 数理計画入門

線形計画問題について解説されています。行列やベクトルを多用するので、線形代数の予備知識があると、理解しやすいです。過去の傾向を見ている限りでは、シンプレックス法、補助問題、2段階シンプレックス法、双対問題などについて理解しておけば十分かなと思います。

新版 数理計画入門 → Amazonリンク

 

イラストで学ぶ 情報理論の考え方

 

情報理論の分野をある程度幅広く学ぶことが出来ます。イラストも付いていてわかりやすいです。演習も十分にあり、解説もついています。

演習問題の中には証明問題が数多く含まれていますが、証明問題は飛ばしても全く問題ないと思います。証明問題については難易度がかなり高くなるので、試験では出ないと考えていいです。過去の試験を見る限り、そういった証明問題が出題される可能性はかなり低いです。

実際に僕は、なにか一定の答えが出る問題のみを解きました。例えば、エントロピーや通信路容量の値を求める問題、符号を構成する問題などです。「~であることを示せ」とか「~であることを証明せよ」みたいな問題は解いてません。

イラストで学ぶ 情報理論の考え方 → Amazonリンク

 

やさしく学べる離散数学

離散数学は京工繊ではしばしば出題されています。といっても、システム論や情報理論、計算機工学よりは出題される確率は低いので、離散数学よりも上記3つの勉強を優先的にやるのがベターでしょう。ただ、ヒューマンインターフェースや情報セキュリティの勉強よりかは離散数学の勉強の方が優先度は高いです。(過去の出題傾向を見る限りでは)

やさしく学べる離散数学 → Amazonリンク

 

TOEIC

初めに、僕は5年生のTOEICで810点をとっていますが、僕自身もともと英語ができるタイプではありませんでした。4年生時に受けたTOEIC IP試験では365点という低さでした。そこから、以下に示した参考書を使って、約450点の点数UPに成功しました。

別記事で、高専生向けのTOEIC800点超えるための勉強法を紹介しました。
こちらから御覧ください → 【高専生向け】留学無しでTOEIC800点超えるための勉強法

 

公式TOEIC Listening & Reading 問題集

まずは模試を解いてみることをオススメします。これには2つ理由があり、1つ目が自分の実力の把握です。実際に問題を解いてみると、思った以上に解けなくてもっと勉強しようという気になると思います。

2つ目が方向性の確認です。自分の今の努力の方向性が正しいのかを確認し、今後どのような方針で勉強を進めていく必要があるのかを把握することが出来ます。例えば、単語がわからないというのであれば、ボキャブラリーを増やすための勉強をし、単語はわかるが英文が理解できないのであれば、文法をやる必要があるでしょう。リスニングの音源が聞き取れないのであれば、英語の音にも慣れる必要があります。

それから実際に模試を解いてみると、大抵の人は時間不足で全て解ききれないという問題にも直面します。時間不足に対処するためには読む量を増やしたり、Part5,Part6に費やす時間を減らすテクニックを学んだりといった方法があると思います。

このように、とりあえず模試で自分の課題をあぶり出すことで、より効果的な対策を打つことが出来るため、効率的に点数アップを狙えます。

僕が利用したのは問題集6ですが、今は新しい問題集7が販売されていますのでそちらのリンクも貼っています。

公式問題集6→ Amazonリンク
公式問題集7→ Amazonリンク
公式問題集8→ Amazonリンク

 

TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ・銀のフレーズ

これはTOEICでは鉄板の単語帳です。僕は金のフレーズ・銀のフレーズ両方をやりましたが、正直なところ金のフレーズだけやれば十分です。金銀でかぶりが多いためです。

単語を学ぶ時は必ず、発音記号を確認して正しい発音・イントネーションで声に出して覚えてください。いくらたくさんの単語と意味のセットを覚えたとしても、音と単語が結びついていないとリスニングで全く役に立たないからです。

それから、例文を読むようにしてください。その単語が英文中でどのように使われるかを知っていないと、実際のテストで思い出せなかったり、英文を理解するのに時間がかかったりします。

銀のフレーズ→ Amazonリンク
金のフレーズ→ Amazonリンク

 

TOEIC(R)L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング2

模試を解いた後に、リスニングが全く聞き取れないことに焦りを感じ、購入したのがこちらの参考書でした。僕のリスニング点が約450点なので、かなり効果はあったと思います。

内容としては、Part3,Part4の問題が、2.5倍速、2倍速、1.5倍速、1倍速、0.7倍速の順で音源が流れてくるので、答えがわかった時点で、マークシートに記入するというような形式になっています。ここが問題を解く部分です。

それから、解説に行き、その後にオーバーラッピング・シャドーイングの練習をするという流れになっています。こちらは、耳を英語に慣らすためのトレーニング部分です。

Part3,Part4の大問24問分でトレーニングすることが出来ます。この参考書を何週かやった時点でかなり、英語が聞き取りやすくなりました。

Part 3&4 鬼の変速リスニング2 → Amazonリンク

 

1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急

文法の参考書ですが、普通の文法書のように英文法が網羅されているわけではなく、どちらかというとPart5,Part6を速く解くための文法・テクニックが書かれています。効率よく点数UPを狙うならやっておくと良いと思います。

1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急 → Amazonリンク

 

TOEIC L&Rテスト必勝ダブル模試

数をこなすための模試として利用しました。2回分の模試が含まれています。2回とも丁寧な解説付きです。僕は、英語の音に慣れるために模試の音源を何度もシャドーイングしたりしていました。

必勝ダブル模試 → Amazonリンク

 

TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+

数をこなすための模試として利用しました。4回分の模試が含まれています。3回分は丁寧な解説付きで、1回分は答えのみです。

こちらは、Kindle Unlimitedの対象なので、僕は家族のアカウントでこのサービスに加入していたので、無料で利用することが出来ました。いくつかのTOEICの参考書がKindle Unlimitedの対象になっているので、サブスクに課金しても余裕で元を取ることが可能です。

究極の模試600問+ → Amazonリンク
Kindle Unlimited 無料体験 → Amazonリンク

 

TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問

数をこなすための模試として利用しました。3回分の模試が含まれています。3回とも丁寧な解説付きです。

こちらも、Kindle Unlimitedの対象でした。

至高の模試600問 → Amazonリンク
Kindle Unlimited 無料体験 → Amazonリンク

 

TOEIC(R)テスト新形式精選模試リーディング2

リーディングが思うように伸びなかったので、こちらを購入しました。1冊に5回分のリーディング模試が入っていて集中的にリーディングのトレーニングが出来ました。ただ、結果としてリスニング445点・リーディング365点と、リーディングの伸びがいまいちだったので、模試をたくさんこなすというアプローチは一概に正しいとは言えないでしょう。もっと効率の良いアプローチがあったかもしれません。

精選模試リーディング2 → Amazonリンク

 

これから受験を考えている方へ

これから京都工芸繊維大学 情報工学課程を受験しようと考えている方に伝えたいことは、

  • 旧帝大よりも難易度が低く見られがちだが、旧帝大よりも専門の試験が難しい上に、倍率も高いということ
  • TOEICはできる限り早く公式テストで提出できるスコアを取るとういうこと

です。

僕は、大阪大学は九州大学といった旧帝大も受験しました。数学に関しては当然旧帝大のほうが難易度は高いです。しかし、情報基礎に関しては京工繊のほうが旧帝大の専門よりも難しいと言っていいです。

なぜなら、出題範囲がかなり広いからです。僕が受けた旧帝大の情報専門科目はアルゴリズムと計算機工学しか出題されませんでした。京工繊では、アルゴリズム、システム論、情報理論、計算機工学、電気回路、ヒューマンインターフェース、情報セキュリティなどが過去に出題されています。そういった面で、情報基礎に関しては旧帝大の専門よりも難しいと言っていいでしょう。

更に倍率も高く、今年は出願者66名・合格者2名で単純計算で33倍でした。試験全体の難易度が高いために志願者が少なくなりがちな旧帝大にくらべ、京工繊は旧帝大ほど難しいというイメージもないため出願者が多くなりがちです。当然ながら、倍率の高い試験をクリアするためには、ある程度の実力が必要になります。

僕は電気科出身だったので、情報専門科目の勉強はかなりハードでした。僕のように電気系から情報系への編入を目指している方には、京工繊はあまりオススメできません。大学で情報分野を学ぶ前の予習にもなるのでそういった面では良いのかもしれませんが、単に試験に合格したいという目的を果たすのであれば、他の大学を受けたほうが良いと思います。

 

京工繊では新型コロナウイルスの対応の一環として、昨年と今年はTOEIC IP試験を実施していました。これからどうなるかはわかりませんが、TOEICは公式テストで早めに高いスコアを出しておけると良いです。情報基礎の範囲が広い上に数学の試験もあり、さらにそこに英語の知識を頭に定着させるというのは脳のキャパシティ的にも厳しいところがあると思っているからです。

実際に僕は、今年の京工繊の試験でIP試験は受験せず、公式テストのスコアを提出しました。IP試験で更に点数が伸ばせる可能性もありましたが、数学と情報基礎を優先し、そちらを集中的に勉強していました。これには理由があり、英語の配点が低いため点数が伸びたとしても数十点だからです。

例えば、手持ちのスコア500点の人が、仮にIP試験で850点出せたとしても、京工繊の配点で言えば、約35点の上昇にしかならないわけです。

京工繊の試験の配点は、数学200、情報基礎200、TOEIC100です。提出できるスコアがないというのならば、IPを受けざるを得ないと思いますが、そうでもないならば、受ける必要性は低いです。IPを受けるにしても数学と情報基礎を最優先し、TOEIC対策はノータッチあるいは最低限にしたほうが良いでしょう。

僕がお勧めするのは、早めにTOEICの公式スコアを取得し、その後は数学と情報基礎に専念するというスタイルです。

 

ここから先は京都工芸繊維大学に限らず編入全般に関して伝えたいことです。他の受験校の編入体験記でも書いたことなので既に読んでくださった方は読み飛ばして頂いて構いません。

編入試験を受験する際に、僕が重要だと考えていることは、

  • 効率よく試験に合格するための戦略
  • 精神面のセルフケア
  • モチベ0でも勉強する

この3点です。

まず1点目に関して、試験勉強を始める前に、まずは長期の学習計画を立てることをオススメします。合格するためには様々なタスクが必要であり、そのタスクを消化するためにかかる時間も様々です。そして、それらのタスクをどのタイミングで配置すれば効率が良いかということも考える必要があります。それらを頭の中で全て組み立てるのは無理なので、学習計画として視覚情報に落とし込むことをオススメします。

長期の学習計画を立てることで、その日その日に何をすべきなのかが明らかになり、勉強も進めやすいです。それから今日はこれだけやれば十分だという安心感にも繋がり、精神的にも楽になります。

学習計画に従って試験対策を進めていく中で、計画よりも早く終わってしまったり、逆に計画よりも遅れてしまうこともあります。そうなったら、計画を更新・改善していきます。

 

2点目の精神面のセルフケアについては、メンタル弱めな方には特に伝えておきたいことです。僕はもともとメンタルが弱いほうで、昨年は試験のプレッシャーで自分を追い込み過ぎて、不眠症にもなり、精神もかなりつらい状況が続いていました。あの状況が1年以上続いていたらうつ病になっていたと思います。昨年の試験が終わったあたりで、不眠症からは抜け出すことが出来て、そこから次の年の試験に向けて、自分の精神との向き合い方を学びました。

そのおかげもあり、今年は自分を追い込みすぎることもなく、精神的にも比較的に楽に試験を乗り切ることが出来ました。毎日眠れていましたし、試験勉強が辛いと感じたこともありませんでした。それから、昨年は試験前夜に一睡もできなかったのに、今年はよく眠れました。試験の時に緊張でパフォーマンスが下がると言ったこともありませんでした。

特にメンタルが弱い方には、精神面のセルフケアについて学ぶことをオススメします。ストレスは自分の頭の中で作り出しているものが多いので、物事に対する認識を変えておくだけでも楽になります。

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3点目はモチベ0でも勉強するということで、かなりきついことを言っているように思われたかもしれませんが、実際に僕は、その日のやる気に大きく左右されること無く、ほぼ毎日勉強を続けていました。やる気がなくても勉強できたのは、勉強が習慣になっていたからです。

基本的に大抵のことは習慣化すればやる気が無くても続けられます

ただし、心身の調子を崩してやる気が出ない場合は例外です。勉強漬けの生活をするとストレスが溜まったりして心身の調子を崩しやすくなります。こういう時は当然やる気も出ないと思いますし、治すことを優先したほうが良いです。

 

僕が編入対策を始める前は勉強の習慣がほとんどなくて、勉強したほうが良いとわかっていてもなかなか手を付けられずダラダラと過ごしてしまうことがよくありました。そんなときによくやっていたのは、カフェや図書館などに行って勉強するということです。カフェや図書館に行けば周りには勉強している人がたくさんいてダラダラしづらい雰囲気がありますし、スタバとかに行くと綺麗な人が多くてモチベーションも上がります。

カフェや図書館に何度も行くようになると、勉強が習慣となり、家でも勉強できそうだなと思う時が来ると思います。

習慣化するためのポイントとしては、最初は軽い負荷から始める、ルールを作る、無駄なハードルを削ぎ落とすなどがあります。いつも3日坊主で終わってしまうタイプの人は習慣化のテクニックなどを取り入れてみると良いと思います。

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僕から伝えたいことは以上です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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