こんにちは、Black Rockです。今回は高専の研究生という制度について解説します。
- 編入試験に落ちたので研究生について知りたい
- 研究生の特徴について知りたい
- 研究生の経験談を知りたい
このような方の参考になれば幸いです。
実際に僕は1年間高専の研究生という制度を利用していました。
研究生については情報があまり出てこないのでわからないところが多いと思います。必要な人は参考にしてみてください。
この記事では以下のテーマについて書きました。
- 研究生の概要
- 研究生の特徴
- 実際に研究生として1年過ごした感想
この記事を読んでいただいている方には、高専からの大学編入に失敗した方もいらっしゃると思います。そんな方のために、高専から大学編入に失敗した際の選択肢について別記事で解説しましたのでぜひご覧ください。→高専から編入に失敗した時の選択肢【就職か研究生が無難】
研究生の概要
まず研究生とは何かというと、表向きでは研究をする学生のことです。
研究生に出願するとき、研究テーマを申告します。そのテーマで研究をするということで「研究生」として学校に籍を置くことができます。
ただこれは、あくまでも建前であり実際に研究をしている学生はあまりいないようです。
研究生というのは、主に進路が決まらなかった学生が利用する制度であり、基本的には進学するための勉強に時間を充てることになります。
進路が決まらなかった学生からすれば、学生という肩書をもらえるので、都合がいい制度ではあります。学校側としても、進路が決まらなかった学生が研究生になれば、進学・就職率の低下を回避できるため、都合が良かったりするのではないでしょうか?
こんな感じで、Win-Winな関係ではあります。
ちなみに、研究生という制度は高専だけでなく普通の大学にもよくあるので、高専だけに存在する裏の制度でも闇でもなんでもありません。
研究生の特徴
この章では研究生の特徴をメリットとデメリットに分けて紹介します。
研究生のメリット
学校の施設を基本的に自由に利用することができる
卒業すると、基本的には学校に入るのには許可が必要になります。しかし、研究生の場合は許可なく学校に立ち入ることができます。編入に関する書類の手続きで学校に行くことがよくあるので、研究生になっておくと楽です。
ただ、学生証がないので、図書館の利用は手続きが必要で面倒みたいです。
Office 365のアカウントがもらえる
1~5年生で使用していたアカウントとは別のものになりますが、Microsoft Office 365のアカウントがもらえます。
1~5年生で使用していたアカウントは、卒業後に使用不可能になるので、研究生になってからアカウントを発行し直します。僕のところはそうでした。学校に行ってアカウントの発行に関する手続きが必要でした。
学費が安い
学費は1ヶ月1万ちょいくらいでした。
といっても浪人して無職になる場合は、学費0円なので、研究生の学費が安いと一概に言っていいかはわかりません。学生という身分をもらえるという観点からすれば安いのではないでしょうか?
研究生の試験も5000円くらいだったので、結構安いです。(試験と言っても書類を送るだけなのですが笑)
一応学生であるということから来る社会的な安心感
編入試験が終わる前は勉強漬けの生活になる場合が多いですが、編入試験が終わるとバイトを始めたり人間関係が増えたりと、社会に出る機会が多くなります。そうした中で、自分の社会的な所属があるのはそうでない場合に比べて精神的に楽だと思います。
例えば、会話の中で「どこの学校に通ってますか?」といったような質問をされることはしばしばあると思います。この返答として、「今浪人中です」と言うのか「今〇〇高専です」と言えるのか、この違いは精神的に結構大きいと個人的には感じました。
研究生のデメリット
正規の学生ではないので学生証がもらえない
高専では1~5年生では学生証が与えられていますが、研究生では学生証がもらえません。
そのため、割と色んな所で学生料金が使えなかったりします。
たとえばサブスクリプションサービスなどがそうです。サブスクリプションサービスを学生価格で利用しようとすると認証が必要になりますが、研究生は非正規の学生なので認証を通過することはできません。
それから学割証の発行も不可です。学割証というのは、新幹線などの学生料金を利用するための証明書のようなもので、高専の教務などに申請して発行してもらうものです。僕も実際に確認しましたが、研究生は正規の学生ではないという理由で発行してもらえませんでした。
ただ、在学証明書は発行してもらえます。在学証明書と顔写真付きの身分証明書があれば、学生価格を利用させてくれるお店もあります。
授業がない
研究生には授業がありません。本科の授業を受けることもできません。従って、「高専で学んでいた分野とは別の分野を大学で学びたい!」となっても高専の授業でその分野を学ぶことはできません。このような場合は基本的に独学に頼るしかありません。
これに関しては、高専から大学で専攻を変えない人や自分の勉強に専念したいという人にとってはメリットといえるかもしれませんが、授業を受けて学びたいという方にとってはデメリットということでここで紹介しました。
奨学金など学費等の支援を受けられない
研究生は一応学生であるとはいえど、奨学金や授業料免除などの制度を利用することはできません。基本的にこのような学費支援の制度は正規の学生のみが対象です。
さらに、研究生が終わって大学に編入した後も学費支援の条件から外れる場合があります。
例えば、日本学生支援機構の給付奨学金や、高等教育修学支援制度の授業料等免除制度などは高専卒業から大学に入学するまでの期間が1年以上の人は支援の対象外になります。研究生を利用しようがしまいがこのような制度は利用できないのです。
実際に1年間研究生として過ごした感想
浪人することを決めたなら研究生を利用して良いと思う
大学編入に再チャレンジすることを決めた人であれば研究生を利用して問題ないと思います。学費というコストがありますが、それをカバーできるだけのメリットはあるなと個人的には感じました。
メリットの中でも、社会的な所属があるということから来る安心感が一番大きかったと感じました。
就職もアリ
これは就職か浪人かで迷っている人向けですが、僕が実際に1年浪人してみて就職という選択も「全然ありだったな」と感じました。
研究生のデメリットの章で紹介した通り、1年浪人するということによって若干の不利益を被ることもあります。人それぞれですが、人生においてかなり重要な人間関係に充てる時間を犠牲にする必要も出てきます。
浪人するとストレスを溜め込みやすくなります。ストレスは心身を破壊し得るものであることも忘れてはいけません。
なので、就職か浪人かで迷っている人は、就職という選択も全然良いと思います。就職は就職で別のストレスを感じる機会もあると思いますが、生活リズムが作りやすかったり、職場でのコミュニケーションなどで人間関係もあります。就職に興味がある人は、チャレンジしてみるのも在りなのかなと思います。
就職に興味がある方はこちらの記事を参考にして下さい→編入に失敗した高専生が就職する方法
結構メンタル削られる
「浪人中はメンタルがキツい」というのはよく聞いていましたが、僕が浪人する前や浪人中の初期などはこれについては懐疑的でした。「メンタルがキツイってどういうことやねん」みたいなことを思っていました。
ですが浪人が終わった今では、「浪人中はメンタルがキツい」というのはまさにその通りだと感じています。
浪人中にメンタルがしんどくなるという現象には原因がいくつか考えられます。
試験に対するプレッシャーや長時間の勉強による運動不足、人間関係の減少などです。こうした生活が続いていると、自律神経やホルモンのバランスが崩れたりして、強い不安感を覚えることもあります。これが浪人中にメンタルがしんどくなる仕組みかもしれません。
僕の性格として、もともとネガティブな思考をするタイプではありませんでした。ネガティブな性格でなかろうが、ストレスの多い生活を続けていると、こういったネガティブな感覚や思考は自然と湧いてくるものなのです。
なにか1つのことに打ち込むということは他のことを犠牲にすることでもあります。犠牲を受け入れてでも手に入れたいものなのであれば挑戦する価値はあると思います。
まとめ
研究生とは、基本的に進路が決まらなかった学生が利用する制度です。建前としては研究目的で学校に籍を置きますが、研究をせずに編入試験に向けて勉強している学生が多いです。
特徴としては、
- 社会的な安心感
- 学校の施設を基本的に自由に利用することができる
- Office 365のアカウントはもらえる
- 学費が安い
- 学生証がもらえないので学生料金を利用できない場合が多い
- 授業がない
- 奨学金などの学費支援の制度を受けられない
僕が1年間研究生として過ごした感想としては、
- 浪人することを決めたなら研究生を利用するのが良いと思う
- 就職もあり
- 結構メンタル削られる
今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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