令和4年度 九州大学工学部 電気情報工学科 編入体験談

編入体験談

Black Rockです。

僕は、2021年8月に行われた九州大学工学部電気情報工学科の編入試験を受験してきました。結果は不合格でした。

 

他の受験校(大阪大学・京都工芸繊維大学・新潟大学)に関しては全て合格し、そちらについては合格編入体験談を書いたのですが、僕としては、むしろ不合格だったこの九州大学編入体験談を読んで頂きたいという思いがあります。

それは、他の体験談に比べて有益な情報を含ませているからです。

今回の記事では普通の編入体験談の内容に加え、不合格だった原因についても考察し、改善案を示します。また、反面教師として利用できる部分もあると思います。

また、九州大学では専門の試験科目については例年過去問が公開されないので、専門の試験の内容について詳しく説明します。僕は、選択科目として計算機工学を選択しました。この試験についてはネット上にほとんど情報が無いので、かなり希少性の高い情報になると思います。

自己紹介・スペック

僕は現在、豊田高専の研究生をやっています。研究生とは、高専の本科を卒業した後に利用できる制度です。本科では電気・電子システム工学科というところに在籍していました。

実は昨年も、編入試験を受験したのですが全て不合格でした。そのため進路がなく、研究生という制度を利用することにしたのです。ちなみに昨年受験したのは京都工芸繊維大学と岐阜大学です。

この失敗談ついてはここで書くと長くなってしまうので、こちらの記事で詳しく書きました。また、研究生という制度について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

 

高専時代のスペックについては、2年生から堕落して、成績も下から数えたほうが早いくらいでした。だいたい下の中くらいでした。

TOEICは浪人確定後の、5年生の12月に受験したもので、810点です。

九州大学を受験した動機

編入自体の動機

  • 高専卒だと給料が安い
  • 学生のうちにもっとスキルを高めてから社会に出れば、より活躍できると思った。

 

九州大学の志望動機は以下の3点

  • 旧帝大の1つでもあるため自分より優秀な学生が集まっていて、良い刺激をもらえるだろうと思った。
  • 試験内容が、英語、数学、専門(選択科目)なので、他の受験校との兼ね合いもあり対策がしやすい。
  • 脳に関する研究室に興味を惹かれた

 

電気から情報へ分野を変えた動機としては以下の2点

  • 電気の分野よりも情報の分野に興味があった
  • 情報化による社会の需要の変化

試験対策の流れ

他の受験校の対策もありましたが、ここでは九州大学の対策のためにやったことのみを示します。

5年生冬

昨年の編入試験で失敗し、5年生の秋に浪人することを決断し、そこからTOEIC対策で忙しく12月のTOEIC受験後から時間ができたため、その時期から受験校について考え始めました。ここで九州大学の受験を視野に入れ、対策をはじめました。

といっても、当時は卒業研究で忙しかったので、さほど勉強はしていません。平均すると、おそらく1日2時間くらいです。九州大学対策としては数学の勉強をメインでやりました。

九州大学の専門科目の過去問は公開されておらず、ネット上に電気回路と電磁気の過去問の再現はころがっていたのですが、計算機工学についての情報はほとんどありませんでした。

九州大学では電磁気と計算機工学が選択科目で選べるのですが、僕は電磁気を勉強したくなかったため、計算機工学を選ぶことにしました。といっても過去の情報がほとんどないので、九州大学の計算機工学対策としては特に何も勉強していません。他大学の対策でカバーできるだろうと思っていました。

 

数学

  • 微分方程式
  • 確率・漸化式・級数

微分方程式は、その当時には既に基礎的な問題は解けていたので、難易度高めの応用問題をやりました。

確率は、過去問を見た感じさっぱりよくわからなかったので、基礎的な部分から手を付け始めました。漸化式や級数などの周辺知識も勉強しました。

研究生春

定期試験と卒業論文の提出が終わり、2月の下旬から受験の準備を本格的にスタートしました。

まずは過去問を精査し、そこで得られた情報から学習戦略を考え、計画表に落とし込みました。

僕は数学、英語、専門だけを試験科目として受験できる大学を選びました。九州大学 電気情報工学科では、英語・数学・電気回路に加えて選択科目を受験するという方式をとっており、先程も述べた通り、僕は選択科目として計算機工学を受験することを決めました。

3月~5月にかけてやったことは以下のとおりです。

数学

  • 確率、級数、漸化式
  • 線形代数
  • 複素解析
  • 微積分
  • 微分方程式

この時期は、1日1分野を集中的にやるようにしていました。特に、確率と複素解析は自分がほとんど理解していない分野だったので、集中的に取り組んで理解度を上げるという学習スタイルを取りました。

この集中的に学習するスタイルとは、例えば、3月中旬~4月上旬にかけて線形代数のみを勉強し、4月上旬~下旬にかけては複素解析のみを勉強し、4月下旬は微積分のみを勉強するといった感じです。

試験対策後半になると、この集中的な学習スタイルからインターリーブ学習というスタイルへと切り替えることになります。それは後ほど説明します。

 

英語

  • 英作文
  • 英語記事精読
  • 長文読解

大学入試用の英作文の参考書を使って、英作文のトレーニングをしました。

英語長文に苦手意識があったので、まずは自分の興味の持てるテクノロジーなどの分野の英語記事を読むようにしました。

英語記事で長文に慣れた後、大学入試用の長文読解の問題集を解きました。こちらに関してはほとんど大阪大学対策用です。

 

英語を学習する時にわからない単語に遭遇したら必ず記録しておいて、単語帳のアプリに落とし込むということをしていました。このアプリは「使用した参考書」の章で紹介します。

 

電気回路

  • 交流回路
  • 過渡現象・ラプラス変換
  • 2端子対回路
  • 回路網解析(テブナン、ノートン)

ネット上に、電気回路の問題再現はころがっていたので、そちらを参考に対策を進めました。

電気回路は高専で習った部分が多いですが、忘れていることも多く理解度が低かったため、こちらも数学と同様、集中的に1つの分野を勉強して理解度を高めるというスタイルを取りました。

計算機工学

  • 論理回路の基礎および演習
  • 数の表現
  • アルゴリズム
  • AtCoder

九州大学の計算機工学の試験では何が出るかほとんど知らなかったので、これらは他大学の対策としてやったものです。

論理関数の基礎的な知識を抑えた後、組み合わせ回路や順序回路などの演習を参考書を用いて行いました。

アルゴリズムは計算量、整列アルゴリズム、2分探索木、連結リスト、グラフ理論、再帰などを参考書を使って勉強しました。

また、基礎的なプログラミング能力の向上のために、AtCoderの過去問を解きました。ABCクラスのA問~C問をメインに解いていました。

研究生夏

6月~8月にかけてやったことは以下のとおりです。

この時期は、自律神経失調症で体調が優れない日が多かったため、思うように勉強できない日々もありました。ですが、その状態でも合格の可能性を最大限に上げるためにはどうしたらよいかを考え、結果として山を張った対策をすることにしました。

自律神経失調症の時の話はこちらの記事に書いています。結構しんどい思いをしていた覚えがあります。療養のために、勉強時間も1日5時間程度まで削らざるを得ませんでした。症状がキツくてほとんど勉強できない日々もありました。

 

数学

  • フーリエ解析
  • ベクトル解析
  • 確率・漸化式
  • 線形代数
  • 複素解析
  • インターリーブ学習
  • 過去問
  • 統計学

まず、応用数学(フーリエ解析、ベクトル解析)を集中的に勉強しました。

それから、確率・線形代数・複素解析の復習と応用問題を集中的にやりました。ただ、これをやっていた時期も自律神経失調症で結構しんどかったので、さほど完成度を高めることは出来ていませんでした。

そこからインターリーブ学習という学習スタイルに切り替えました。

インターリーブ学習とは、1日で特定の科目の複数の分野を勉強するスタイルです。例えば、1日のうちに、確率と複素解析と線形代数と微分方程式を勉強するといった感じです。

集中的な学習と比べて、インターリーブ学習は応用力を上げるのに効果があるようなので、この学習スタイルへとシフトしました。

過去問を解いた感じ、数学に関しては年によってバラツキがありましたが平均して8割程度とれそうな印象を持ちました。

 

英語

  • 過去問
  • 単語

過去問を解き、そこで見つかった課題を潰すための対策をしていきました。長文の和訳問題で、わからない単語にしばしば遭遇したり、和文英訳でわからない単語があったりしたので、理系英単語を補強しました。それから、数学英語も勉強しました。

 

電気回路

  • 過去問
  • 復習(交流回路、過渡現象、2端子対回路、回路網解析)

ネット上にころがっていた電気回路の過去問再現を軽く解いて、ほとんど解けた覚えがあります。

それから、直前期はインターリーブ学習で復習しました。

 

計算機工学

  • AtCoder

AtCoderはたまにやっていました。あまり長い間やっていないと、基礎的なプログラミング能力や思考力が低下するかもしれないと思ったためです。

試験前日・当日の流れ

試験後の記憶が新鮮なうちに、試験前日・当日の流れや感想などを書いた記事がありますので、興味のある方はこちらからご覧ください。

ここでは、ざっくりと書きたいと思います。

試験前日

いつも通りの時間に起きて、中部国際空港まで移動して昼食を食べ、それから福岡空港まで飛びました。JetstarというLCCを利用しました。運賃は8000円ほどでした。

福岡空港から、電車で1時間位かけて九州大学最寄りのホテルまで移動しました。やはり九州大学の伊都キャンパスは博多・天神のような都心から結構離れています。

今回利用した宿は、グローカルホテル糸島です。2021年8月にオープンしたばかりの新しいホテルでした。料金は普通のビジネスホテルと比べると高めですが、開業プランを利用して一泊9000円程度で泊まることが出来ました。それでも少し高いなとは思いましたが、それ以外のホテルが遠すぎたのでこちらのホテルを選びました。このホテルが九州大学伊都キャンパスの最寄りのホテルで工学部の試験会場まで徒歩20分程度、バスなら10分程度で移動できます。

値段が少し高めなのもあって、客室やサービスはとても気持ちの良いものでした。

 

この日は、夜に数学の勉強を軽くして、普段どおりの時間に寝ました。

就寝したのが12時半過ぎくらいだったかなと思います。自律神経失調症の治療のために睡眠剤を服用していたのもあり、5分程度で入眠しました。

試験1日目

朝は7時頃に起床しました。普段どおりの睡眠が取れていたと思います。

起床後は朝風呂に入って心身をリラックスさせました。それから、ホテルの朝食を少しだけ頂いて、会場へ向かいました。ホテルを出たのが9時頃です。朝はかなり余裕を持って過ごすことが出来ました。

試験会場で確認した感じ、僕の受けた電気情報工学科はおそらく20人前後でした。

電気情報工学科の試験は、最初午前中に数学、午後に英語がありました。試験の内容については次の章で説明します。

昼休憩で、試験会場の近くにあるE-Cafeという売店の商品を購入することが出来ますが、品揃えがショボいので、自分の好きなものを食べたい人は、予めコンビニなどで昼食を調達しておくと良いと思います。E-Cafeには食堂も入っていますが、コロナ対策のために食堂は利用せず、試験室で食べるように指示がありました。

 

1日目の試験が終わったあとは、ホテルに戻って次の日の面接対策をしました。面接対策を一切していなかったので急いで準備しなければいけないという状況でした。2~3時間ほどで、Webサイトをあさって判断材料を探して原稿まで落とし込む、という作業をやりました。面接対策に関しては以前に受けた別の大学の試験のために作ったものがあったので、さほど時間はかかりませんでした。

そこからシャワーを浴びて少し仮眠をとって、夕食を食べました。

夜は電気回路の勉強をしました。計算機工学に関しては過去の情報がインターネット上にほぼ無かったので、対策のしようがありませんでした。

この日の夜も、難なく眠ることが出来ました。就寝が12時半くらいだったと思います。

試験2日目

確か7時ころに起床しました。その日も朝風呂をして、朝食も軽く済ませました。

ホテルから大学への移動中に、面接の原稿を頭の中でアウトプットしていました。

試験2日目は、電気回路、選択科目(計算機工学)、それから面接試験です。

試験の内容については、次の章で説明します。

ちなみに、選択科目は電磁気学と計算機工学から選べますが、計算機工学を選んだのは僕の他に1人だけで、それ以外の人は電磁気学を選択していました。電気系の人が多いという点はありそうですが、電磁気学に関しては過去問の再現がネット上にころがっていたという点も要因として考えられます。

 

試験が終わったあとは、次の日の大阪大学の編入試験に向けて移動を開始しました。1時間以上かけて福岡空港まで移動し、夕食を食べ、大阪へ飛ぶという流れでした。結構ハードでしたが、意外と同じようなことをしている受験生の人を何人か見かけました。本当におつかれ様です。笑

これ以降は大阪大学の編入体験談にて書きました。

試験の内容

数学

大問1:線形代数(10割程度)

大問2:微分方程式(10割程度)

大問3:ベクトル解析(3~4割程度)

大問4:確率(3~4割程度)

大問3は、解いたことがないタイプの問題で、計算もかなり複雑になってしまい、あまり解けませんでした。

大問4は、ひねった確率の問題で、確率に関しては対策不足だったので、こちらもあまり解けませんでした。

英語

大問1:長文の日本語訳(8~10割程度)

大問2:長文の日本語訳(7~8割程度)

大問3:英作文(8~9割程度)

難易度はそこまで高くありませんでしたが、時間不足で大問2に1問空白ができてしまったのが痛手でした。

電気回路

電気回路は、例年過去問が公開されていないので詳しく説明します。

※回路図がないと分かりづらいと思うので、後日問題の再現を作成して公開したいと思います。

とりあえず今回は文字だけで説明します。

大問1:交流回路(7~10割程度)

(1)力率と無効電力を求める問題
(2)コンデンサ-jX[Ω]をつないで力率が100%になったときの、Xの値を求める問題

 

大問2:RL回路(8~10割程度)

(1) |E/V|の値を求める問題(Eは直流電源電圧、Vは回路中で指定されたある点と点の電位差)
(2)arg(E/V)=π/3のときの、X/Rの値を求める問題(Xはコイルのリアクタンス、Rは抵抗の値)

 

大問3:過渡現象(8~10割程度)

(1)与えられた回路にて、スイッチをONにした直後(t=0+)の、回路中で指定された電流の値を求める問題
(2)t>0における、回路中で指定された電流の値を求める問題

大問1:多分あってますが、計算方法について不安な点が1つあったので、そこを間違えていたら7割程度です。

大問2:全て解けたのでミスがなければ10割です。

大問3:全て解けたのでミスがなければ10割です。

電気回路全体としては、9~10割程度だと思います。

 

計算機工学(選択科目)

計算機工学は、例年過去問が公開されていないので詳しく説明します。この科目に関してはネット上にほとんど情報がないので、希少性の高い情報かと思います。

※こちらも、後日問題の再現を作成して公開します。

大問1:数の表現(8~10割程度)

(1)10進数表現・符号なし絶対値表現(おそらく符号付き絶対値表現の誤植)・8ビット2の補数表現・16ビット2の補数表現の対応表を埋める
(2)浮動小数点数
①問題中で指定された形式の浮動小数点数(指数部3桁、仮数部4桁)の最小値
②浮動小数点数で表された2つの数の減算を浮動小数点数で示す
③前問の解を10進数で示す

 

大問2:離散数学・論理回路(7割程度)

(1)離散数学
与えられた3つの関係が反射律、対称律、推移律を満たすか否かそれぞれ示す、満たさない場合は反例を示す。
(2)論理回路
①与えられた論理関数を最簡形にする
②論理関数の等式が成り立つことを式変形のみを用いて証明
③与えられた論理関数をNANDのみを用いて表す
④4ビットの2進数が素数である時に1を出力する関数の真理値表作成と論理関数を示す

 

大問3:プログラミング(4~6割程度)

与えられた整数Nが、スミス数であるかどうかを判定するプログラムを書く。(スミス数とは、その素因数の各位の数字の和の合計がもとの数の各位の数字の和に等しい数のこと)

 

大問1:ミスがなければ満点。
問題中の符号なし絶対値表現という記載を誤植だろうと判断し、符号付き絶対値表現で答えを書きました。本当に符号なし絶対値表現というものが存在するなら、減点されると思います。

数の表現に関する問題にしては他の大学と比べるとひねった問題でした。ここで時間を持っていかれて、後半に時間不足になってしまいました。

 

大問2:(1)の反射律、対称律、推移律の定義を覚えていなかったので勘で書きました。離散数学からの出題は、「計算機工学」という試験名からは想定できませんでした。
(2)はすべて解けました。

 

大問3:プログラム全体のアルゴリズムは頭に浮かびましたが、コードに書き起こしているうちに、時間切れとなりました。

選択科目全体としては7割程度でしょうか。配点がわからないのではっきりとはわかりません。

筆記試験全体の出来をまとめると、あくまでも僕の手応えですが、

数学6.5割、英語8.5割、電気回路10割、計算機工学7割程度です。

面接試験

3名の面接官の方から、以下の4点について質問を頂きました。

  • 志望動機
  • 併願校について
  • 卒業研究の内容について
  • 大学院への進学について

面接に関しては、若干考えたり少し間が空いたりすることがあったので、対策不足を感じました。ただ、全ての質問に対して答えは明確にして返すことが出来ていたので、合否に影響を大きく与えるほどのものでもないと思います。

考察

この章では、僕が不合格だった原因と、改善案を考察します。

不合格の原因

不合格の原因は2つ考えられます。

1つ目は、数学の点数が低かったということです。

九州大学の編入試験の配点は公表されていないませんが、過去問を見てみると数学200、英語100、物理100、化学100ということはわかります。ご存じの通り、電気情報工学科は物理化学がなく、その代わりに電気回路と選択科目があります。配点もシンプルに置き換わっているだけと考えるのが自然でしょう。

つまり、数学200、英語100、電気回路100、選択科目(電磁気or計算機工学)100である可能性が高いと考えられます。

僕の筆記試験全体の出来が、

数学6.5割程度、英語8.5割程度、電気回路10割程度、計算機工学7割程度

なので、最も配点の高い数学でかなり失点してしまっています。これが大きかったと思います。今年の数学は難しかったので、大きな差はつかないのかなと思っていましたが、やはり旧帝受験者は優秀な学生が多いです。

 

2つ目は僕の予想になってしまうのですが、九州大学では試験全体の点数のボーダーだけでなく、人数を制限して合否を決定しているということです。

他の学科・コースでは、合格者0名のところもありました。ということから、最低限のボーダーを超えた受験者のみが合格者になる可能性をもつと考えられます。

おそらくそれにプラスして、人数の制限がかけられていると考えられます。つまり、ボーダーを超えた上位何名かが合格者として選ばれるということです。

つまり試験がある程度出来たとしても、上位の何名かに入れていなければ落とされるということです。

個人的には試験の出来は悪くはなかったと思っています。ですが、上位5名の中には入れなかったようです。

改善案

ここでは、僕の編入対策における問題点を3つ挙げ、その問題に対してどのようにするべきだったか改善案を考察します。今後の受験者の方は参考にしてみてください。

 

問題点①:数学の対策不足

僕の不合格のおそらく最も大きな原因は、数学の点数です。

上で述べたとおり、数学の配点が200点と高く、他の教科比べて2倍もあります。

なので、最優先で数学の完成度を高めるべきです。僕は数学の完成度が甘いのにも関わらず、英語の勉強にも力を入れてしまっていました。

気軽に勉強できる教科ほど、とりあえず先にやってしまう人が多いと思います。そうではなく、必ず優先度の高いものから完成度を高めていくべきです。ここでいう優先度が高いものとは、試験の配点が大きい教科や、出題の確率が高い分野のことです。

先に数学の完成度を高めて、仮に英語や専門の対策に時間が取れなくなったとしても配点が低いのでさほど痛くはありません。

 

問題点②:計算機工学の対策ができなかったこと

僕は、電磁気学に興味がなかった上に、学ぶ必要性を感じなかったので、電磁気学ではなく計算機工学を選択しました。それから、編入試験全体で受験する科目を絞っていたというのもあります。

計算機工学に関してはネット上に過去問の情報が無いので、九州大学用の対策はしていません。

結果は7割程度なので悪くはなかったですが、傾向を把握していないと解けない問題もありました。

一方で、電磁気学はネット上に過去問の再現がころがっていて対策がしやすいので、電磁気学を選んだ方が堅実だと思います。少なくとも電気系出身の方はそうです。

僕の場合、第1志望が複数あり九州大学を第1志望群として受験していたので、九州大学単体に対してはあまり執着はありませんでした。仮に第1志望を一つに絞って九州大学を第1志望として受験するなら、電磁気学を選んだほうが堅実な判断だと思います。

 

問題点③:長時間勉強を続けていると心身に異常が現れるという問題

前述の通り、僕は6月から8月にかけて自律神経失調症で体調の優れない日々が続いて、勉強時間の確保が難しくなっていました。本当にしんどい時期は一切勉強できない日もありました。

体調を崩した原因としては、ストレスや運動不足などが考えられます。規則的な生活習慣や健康的な食習慣は徹底していましたが、長時間勉強するとなると、どうしても運動量も減ってしまいますし、メンタルだけでなく神経レベルでストレスが掛かります。

そのような生活が長期間続くと心身に異常を来たす場合があります。自律神経失調症に限った話ではありません。ストレスや疲労によって引き起こされる心身の異常・病気は他にもたくさんあります。

改善案としては、脳や神経の疲労を回復すること、ストレス対策、運動量の確保の3点が考えられます。

脳や神経の疲労を回復するためには、質の高い睡眠や入浴・サウナ、仮眠、運動、瞑想などがあると思います。

 

ストレス対策としては、上記の方法に加え、無駄なストレス(人間関係、SNS疲れなど)を減らす、オフの時間を確保し、その時間でリラックスできること・没頭できることをする。夜にオフの時間をとるのが有効的です。ストレスが溜まった状態で睡眠に入ると、睡眠の質が落ちて疲労が蓄積していきます。

 

運動量を確保するためには、ポモドーロテクニックという勉強法を採用すると良いと思います。ポモドーロテクニックとは、勉強→休憩→勉強…を一定時間で繰り返すスタイルです。例えば、50分勉強して10分休憩、また50分勉強して10分休憩というような感じです。この休憩時間に運動をすれば、ある程度の運動量は確保できます。勉強の合間の運動は、脳への血流を増やし、結果として脳のパフォーマンスを上げてくれます。

僕は自律神経失調症の診断を受けてから、ステッパーと呼ばれるエクササイズ器具を購入し、それを用いて1日8000歩程度歩くようにしていました。その前までは1日2000~3000歩程度でしたが、意外と簡単に5000歩程度増やすことが出来ました。勉強机のすぐ近くに置いておけば、気軽に運動できます。

使用した参考書

数学

数学の出来がイマイチだったので、他の受験者の体験記もぜひ読んでいただきたいのですが、個人的には下記の2冊あれば十分だと思っています。たくさんの参考書に手を出すよりも、この2冊の完成度を上げるという方法のほうが効率が良いし、お金もかかりません。

 

編入数学徹底研究

まずはこちらの参考書で基礎を学びました。この問題集は1周以上やりました。わからない問題や忘れている問題だけを、わかるようになるまで解いてやれば十分だと思います。

編入数学過去問特訓

編入数学徹底研究で基礎を学んだ後、こちらのテキストで問題数をこなして応用力をあげます。

ぶっちゃけ、この問題集に関しては1周すら解いていません。特に確率や線形代数、複素解析などは結構難易度が高い問題が数多く載っているので、解ききれませんでした。

おそらくですが、この問題集に載っている全ての問題が解けるようになれば、九州大学の数学の試験でも十分通用すると思います。

 

英語

英語長文に関しては僕は特に未熟なので、他の受験者の編入体験記も参考にしてみてください。

Next Stage 英文法・語法問題

僕は文法のパートのみをやりました。僕は一応TOEIC810ありますが、知らない文法も多く勉強になりました。文法をやっておくと、和文英訳で役に立ちます。こちらのテキストは、大阪大学対策として利用した側面が強いです。

大学入試 英語長文ハイパートレーニングレベル2 標準編

比較的難易度の低めの長文から問題に慣れようといった意図で、利用しました。とっかかりとしては悪くはないですが、九州大学の長文問題とはテイストが違います。長文に苦手意識がない方は、最初からもっとレベルの高い問題集をやっても良いと思います。理系の英語長文問題集を見つけましたので、下で紹介しておきます。

大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編

和文英訳の対策用に購入しました。基本的な文法にフォーカスして解説されています。英作文に必要な文法はこの1冊やればだいたいカバーできると思います。ただし九州大学の和文英訳の問題よりも語彙の難易度が低いので、別のテキストでボキャブラリーを補強する必要があります。

COCET2600―理工系学生のための必修英単語2600

時間がなかったので最終パートのみをやりました。難易度の高い英単語が例文とともに載っていて良いと思います。

話題別英単語リンガメタリカ

この英単語帳では分野別で章が分かれており、僕は環境問題と科学の章の単語のみを覚えました。これは理系専門の英単語帳ではなく、文系の分野の単語も入っているので、コスパは良くないかもしれません。COCETを勉強したほうがコスパ良いかなと思います。

基礎からわかる数・数式と図形の英語

前年の試験で、数学に関する英語の和文英訳問題が出題されていたので、このテキストを利用しました。数学英語は出題される確率が低いので、基礎的な部分を軽くやっておけば良いと思います。完成度を高める必要性は低いです。

 

WordHolic(英単語帳アプリ)

上記の参考書でわからない単語に遭遇したら、必ずこの英単語帳アプリに残して暗記するという作業をしていました。自分で単語帳を作ることができるというのがこのアプリの特徴です。

英単語と日本語訳だけでなく、例文を追加することも出来ます。単語の発音も音声で確認できます。さらには、シャッフル機能や暗記サイクルのカウントなど便利な機能が揃っており、便利で使い勝手が良いので愛用していました。

App StoreとGoogle Playから入手可能です。

自分で作る単語帳 WordHolic!

 

 

テクノロジー系ニュースサイト

英語長文に苦手意識があったので、まずは、自分の興味のある分野から読んでみようということで、テクノロジー系のニュースサイトを読み漁りました。

とっかかりとしては良かったなと思いますが、試験で出題される文章とは若干テイストが違うので、同じようなテイストの記事を読みたいのであれば、下に示す参考書を検討してみてください。

 

完全理系専用 英語長文スペクトル

こちらのテキストは、時間があったら購入して勉強しようと思っていたものです。実際には、時間がなくて購入すらしていません。タイトルの通り、理系の長文問題を集めたテキストです。購入していないのでわかりませんが、普通の大学入試の長文問題集よりかは、九州大学の長文問題に近いテイストの問題が載っていると思います。

電気回路

詳解電気回路演習 上

こちらのテキストでは電気回路の基礎的な部分を学べます。例えば、直流回路・交流回路、ベクトル記号法、回路網解析(テブナン、ノートン)などです。この上巻だけではカバーしきれないので、次に紹介する下巻と併せて勉強すると良いです。

詳解電気回路演習 下

こちらのテキストでは、上巻よりも応用的な部分を学べます。例えば、フィルタ回路、過渡現象、ラプラス変換、2端子対回路などです。

このシリーズは問題量が豊富で応用問題もたくさんあります。

 

計算機工学

計算機工学に関しては、九州大学の試験の傾向を一切知らなかったので、九州大学対策として特別に何かやったことはありません。

ここでは、他の受験校の対策としてやったものを紹介しておきます。

基礎から学ぶコンピュータアーキテクチャ

数の表現を勉強するために購入しました。加減算、乗除算、補数表現、浮動小数点数などについて学びました。基礎がまとまっていてわかりやすいです。

コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とその設計

論理関数、組み合わせ回路、順序回路について書かれています。例題と演習問題が数多く記載されています。演習問題に関しては解答が載っていないのですが、正直なところ例題だけ確実に解けるようにしておけば問題ありません。僕も例題を一通り解いただけです。

定本 Cプログラマのための アルゴリズムとデータ構造

こちらのテキストでは、計算量、データ構造、線形探索・2分探索、2分探索木、整列アルゴリズムなどの基礎的な部分について勉強しました。他にも様々な応用的なアルゴリズムが記載されています。

サンプルコードは少なめで、どちらかというと文章でわかりやすく説明してくれています。

C言語によるはじめてのアルゴリズム入門

上の定本で扱っていない、グラフ理論についての解説があります。

こちらのテキストはサンプルコードが豊富で、基礎から応用まで幅広いアルゴリズムが紹介されています。

 

これから受験を考えている方へ

九州大学の受験を考えている方に伝えたいことは、1点です。

それは、九州大学は合否の判定が厳しいので、高い実力を身に付けておかないと合格は厳しいということです。

考察の章でも述べた通り、それなりに試験が解けるだけでは不十分で、上位に食い込めるだけの高水準な実力が必要です。

僕の試験の出来は(あくまでも手応えではありますが)、数学6.5割程度、英語8.5割程度、電気回路10割程度、計算機工学7割程度で、個人的にはそこまで悪くなかったと思っていたのですが、これでも落とされます。

配点の大きい数学の出来がイマイチだったということもありますが、おそらくかなりレベルの高い受験者のみが合格を手にしたようです。

僕は大阪大学も受験して、手応えとしてはあまりなかったのですが、幸いにも合格していました。

試験の難易度で言えば明らかに九州大学よりも大阪大学の方が難しいのですが、合否の判定に関しては九州大学の方がシビアな印象です。

 

なので、九州大学を第1志望にして本気で合格したいという方は、8割~9割以上を安定して出せるくらいの実力は身につけておいたほうが良さそうです。特に数学に関しては配点が大きいので、より高い完成度が要求されます。

 

ここから先は九州大学に限らず編入全般に関して伝えたいことです。他の受験校の編入体験記でも書いたことなので既に読んでくださった方は読み飛ばして頂いて構いません。

編入試験を受験する際に、僕が重要だと考えていることは、

  • 効率よく試験に合格するための戦略
  • 精神面のセルフケア
  • モチベ0でも勉強する

この3点です。

まず1点目に関して、試験勉強を始める前に、まずは長期の学習計画を立てることをオススメします。合格するためには様々なタスクが必要であり、そのタスクを消化するためにかかる時間も様々です。そして、それらのタスクをどのタイミングで配置すれば効率が良いかということも考える必要があります。それらを頭の中で全て組み立てるのは無理なので、学習計画として視覚情報に落とし込むことをオススメします。

長期の学習計画を立てることで、その日その日に何をすべきなのかが明らかになり、勉強も進めやすいです。それから今日はこれだけやれば十分だという安心感にも繋がり、精神的にも楽になります。

学習計画に従って試験対策を進めていく中で、計画よりも早く終わってしまったり、逆に計画よりも遅れてしまうこともあります。そうなったら、計画を更新・改善していきます。

 

2点目の精神面のセルフケアについては、メンタル弱めな方には特に伝えておきたいことです。僕はもともとメンタルが弱いほうで、昨年は試験のプレッシャーで自分を追い込み過ぎて、不眠症にもなり、精神もかなりつらい状況が続いていました。あの状況が1年以上続いていたらうつ病になっていたと思います。昨年の試験が終わったあたりで、不眠症からは抜け出すことが出来て、そこから次の年の試験に向けて、自分の精神との向き合い方を学びました。

そのおかげもあり、今年は自分を追い込みすぎることもなく、精神的にも比較的に楽に試験を乗り切ることが出来ました。毎日眠れていましたし、試験勉強が辛いと感じたこともありませんでした。それから、昨年は試験前夜に一睡もできなかったのに、今年はよく眠れました。試験の時に緊張でパフォーマンスが下がると言ったこともありませんでした。

特にメンタルが弱い方には、精神面のセルフケアについて学ぶことをオススメします。僕が実際にやっていたメンタルのケアについては、別の記事で解説したいと思います。おすすめの本も紹介しておきます。

 

3点目はモチベ0でも勉強するということで、かなりきついことを言っているように思われたかもしれませんが、実際に僕は、その日のやる気に大きく左右されること無く、ほぼ毎日勉強を続けていました。やる気がなくても勉強できたのは、勉強が習慣になっていたからです。

基本的に大抵のことは習慣化すればやる気が無くても続けられます。ただし、これは心身が健常な人の話です。一口にやる気が無いと言っても、病気の人と健常者のやる気が無いでは全く意味が違います。心身に異常があって気力がないのであれば、休養する必要があるでしょう。そういった意味でもやる気というのは体の状態から大きな影響を受けているので、体の健康度を上げることも重要でしょう。

習慣化するためのポイントとしては、最初は軽い負荷から始める、一定のルールを作る、無駄なハードルを削ぎ落とすなどがあると思います。

 

僕から伝えたいことは以上です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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